一生、愛してる。2 [JW] [青×黄]

呼び方 ページ6

[黄side]


今日はのんちゃんと1日ロケ。
現場に向かう車内では
いつもは離れた席に座るのに、今日は何故か、
1番後ろのはしっこに座った俺の隣へ
彼は嬉しそうにぼすっと腰掛けた。

桃「なぁ淳太ぁ？」

黄「なに？」

桃「…流星とさ、2人っきりの時だけ呼ぶ、
特別な名前の呼び方とかって、あるん？」

瞳をらんらんと輝かせながら、
周りに気付かれないよう、
控えめな声で俺に尋ねてくる。

黄「はぁ？なんやそれ」

桃「だってほら、お前ら普段から下の名前、
それも呼び捨てで呼び合ってるやろ？
でも例えば、神ちゃんやったらとも、みたいなさ、
カップルやからこそ呼べる愛称ってあるやん！
そういう特別なん、ある？どお？」

…ぶんぶん振っとるしっぽが見えるわ。
楽しそうな笑顔やなぁ。

黄「なんでそんなん聞いてくんのよ」

俺が言うと、
のんちゃんは待ってましたと言わんばかりの勢いで
大げさに頷きながら俺の肩に手を置いた。

桃「俺なぁ、流星の恋バナ全然聞いたことないんよ。
なんか知らんけど、アイツ、俺にそーゆー話
全然してくれへんからさ。
やからめっっちゃ聞きたいねん！」

黄「あ、そぉ…
それなら本人に聞けばええやん」

桃「やって絶対上手いことはぐらかされるもん！
アイツ逃げるんばーり上手やから」

黄「それはそうやけど」

桃「…てか、否定はせぇへんねんな？」

黄「は？」

桃「その反応の感じやと、あるんやろ？
2人だけの、特別な呼び方」

まっすぐ向けられた大きな双眸が、
俺を捉えて離さない。

強い。視線が強すぎる。
この子に真正面から見つめられて勝てる人なんて、
絶対この世に存在せぇへんやろ。

黄「……なくは、ない。のか？」

桃「ふぅ〜っ！
、ってなんやその中途半端は！言い切れや！」

黄「いや、だって、基本りゅうせ…
んっと、お互い下の名前で呼び合ってるんやもん。
それ以外は滅多にないで」

桃「あるにはあるんやろ」

黄「………」

桃「…おい、耳めっちゃ赤いぞ笑」

黄「うっさいなぁもう！」

俺が怒ると、のんちゃんは
んははははっ！と楽しそうな笑い声を上げながら、
俺の頭をわしゃわしゃと撫でてきた。

黄「ちょお、なぁもっ、やーめーろ！
あーもーはよ現場着いてやぁ！」

桃「この仕事で現場はよ着きたいとか
よぉ言えるな笑」

黄「…あー、それも嫌やわ…」

桃「ぶっは！笑 正直かよ！笑」

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