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青「…合鍵は、今度返すわ」
黄「…おん。
…俺はもう返しとく」
青「…ん」
玄関先で小さな抵抗をしてみたけれど、
目の前に差し出されたそれに、
終わりを感じてよりつらくなってしまった。
黄「明日も7人で仕事やけど、普通にしよな」
青「当たり前やろ。
今までバレたことないねんから、
気付かれるわけないわ」
黄「…せやな」
皮肉を込めてわざと冷たく言い放つと、
返ってきた淳太の声は切なさを含んでいた。
…お前が言うてきたくせに。
最後の最後まで、ほんまにずるい人。
青「…じゃあ」
黄「…おん。今まで、ありがとう」
ニッと笑ってみせた淳太の笑顔は、
最後くらいは笑って別れよう、
そんな思いが見えてくるハリボテの笑顔だった。
切なくて、苦しくて、可愛くて、可哀想で、
今すぐに抱きしめたくなるけれど、
俺は拳を握りしめてぐっとこらえ、
黙って淳太の家を出て行った。
夜風が冷たい。
重い足を引きずるように前へ進めながら、
小さく息を吐いた。
青「…あかん」
誤魔化すように口に出す。
青「…っ、止まれっ…！」
手で口元を覆いながら小さな声で叫ぶ。
それでも、もう、止められないことに
俺はどこかで気付いていたのかもしれない。
ぼろぼろと溢れ出す様々な感情を宿した雫は、
足元のコンクリートに黒い染みを作った。
青「…淳太っ…
…ほんまに、好きや…！！」
周りには誰もいない、寒い冬の夜。
嗚咽と共に漏れ出た小さく悲痛な叫びは、
誰にも届かず、暗闇に溶けていった。
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とも(プロフ) - いつも更新を楽しみにしていました。かわいくてもどかしくて少し悲しくてでも愛に満ちていて、読んでいて幸せでした。大好きです！続きがあるとのこと、お待ちしています。 (2021年1月10日 17時) (
レス) id: ecd8d176d9 (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！ (2021年1月10日 2時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
とんとん(プロフ) - あ、 、、ちょっと泣きそうになりました...ほんとに大好きなお話です！これからもずっと読ませてください！ (2021年1月9日 7時) (レス) id: 5329dbae7e (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - この後の展開も楽しみです！ (2021年1月8日 19時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
じ ゅ が 。(プロフ) - 喧嘩のとこで別れた時は本当に泣きそうになっちゃいました 笑 仲直りして 、 結婚までいけて嬉しすぎます 笑 つい感情移入しちゃうぐらいリアルでとてもきゅんきゅんします 笑 有難う御座いますっ (2021年1月8日 19時) (レス) id: 2da2fede4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋 | 作成日時：2020年11月6日 22時
