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呼吸 ページ19

[青side]


寝る前の支度を全て終えて、
のんびりとベットの上でくつろぐ。
携帯をいじっていると、
後ろから甘い香りがふわりと漂ってきた。
ベットの軋む音が鳴り、優しいぬくもりに包まれる。

風呂上がりに淳太がいつも塗っている、
ローズ系のボディークリームの匂いや。
ふわふわとした髪の毛が首元に触れているから、
多分肩に顔を埋めているんやろう。
ゆったりとした息の音は、
この姿勢で落ち着いていることを示している。

…可愛い。

抱きしめ返して唇を奪いたい衝動に駆られるが、
それと同じくらい、
このままでいたいという穏やかな愛情が心を占めた。

結局そのままにしておくと、
淳太の呼吸のペースが微妙に変わった。
、ん? 俺と一緒のタイミングになっとる…?

青「……」

わざと大きく息を吸って、短く吐くと、
淳太は慌てながらそれについてきた。
他にも何パターンかリズムを変えてみるが、
彼はその度に合わせてくる。

青「…ふふ」

たまらず笑みがこぼれる。
すると、淳太も可愛らしい笑い声をあげた。

黄「やっぱり、わざとやったん?笑」

青「おん笑 てかそもそも、淳太が先に
俺に合わせてきたんやろ?笑」

淳太の方を向くと、楽しそうに目を細めて笑い、
俺の頰にちゅっと音を立ててキスをしてきた。

黄「んふ笑 なんかなぁ、流星の息の音が
聞こえてきたからふざけて合わせてみてんけど、
けっこう落ち着くなー、って、思ってん」

ぎゅうっと愛おしそうに腕の力を強め、
柔らかく微笑む淳太。

ああ、なんやこれ。
めっちゃ幸せやん。

青「…可愛い人やね」

頰を包み込むように優しく撫でれば、
淳太は肩をきゅっとすぼめて顔を傾かせ、
自分の頰と肩で俺の手を捕まえた。

青「ちょお、なに?笑」

捕まり切らなかった親指で
淳太の目元をとんとんと軽く叩く。
すると淳太は くふっ、と楽しそうな笑い声を出し、
俺の手のひらに唇をぐっと押し当てた。

黄「…すき」

手のひらに唇を当てたままそっと目を閉じ、
甘くとろけた声で囁く。

恋人が目を閉じて自分の手に唇を触れさせる姿に、
ぐらっと来ない人なんてこの世におるんやろうか。

少なくとも俺は、ぐらっと来ました。

綺麗な瞼にそっと唇を落とすと、
大きな瞳と視線が交わる。
腕の力がほんの少し緩んだ隙を狙って、
淳太の腕を引いてベットに押し倒した。

青「俺は愛してる」

そう言うと恥ずかしそうに頰を染めた愛しい人に、
優しく甘いキスを重ねた。

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とも(プロフ) - いつも更新を楽しみにしていました。かわいくてもどかしくて少し悲しくてでも愛に満ちていて、読んでいて幸せでした。大好きです!続きがあるとのこと、お待ちしています。 (2021年1月10日 17時) (レス) id: ecd8d176d9 (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (2021年1月10日 2時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
とんとん(プロフ) - あ、 、、ちょっと泣きそうになりました...ほんとに大好きなお話です!これからもずっと読ませてください! (2021年1月9日 7時) (レス) id: 5329dbae7e (このIDを非表示/違反報告)
bob_cute_(プロフ) - この後の展開も楽しみです! (2021年1月8日 19時) (レス) id: 22d3e69b05 (このIDを非表示/違反報告)
じ ゅ が 。(プロフ) - 喧嘩のとこで別れた時は本当に泣きそうになっちゃいました 笑 仲直りして 、 結婚までいけて嬉しすぎます 笑 つい感情移入しちゃうぐらいリアルでとてもきゅんきゅんします 笑 有難う御座いますっ (2021年1月8日 19時) (レス) id: 2da2fede4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年11月6日 22時

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