29話 ページ31
━ヌメルゴンsaid━
オレンジのヘアバンドした彼が、このフロアを出た。それは、私達が負けた意味。私達は弱いこと。
「お前、聞いたか？アイツの言葉」
レントラーは、呆れたように言う。いや、呆れている割には怒りも混じった声だった。
「うん、聞いたよ。」
そう言うと、レントラーは大声を出した。
「ふざけるな！何が俺は行かなきゃいけないだ！何も、わからないくせに！俺達がどんな目にあったのか、何も知らないくせに！」
私は、黙って聞くことしかできなかった。確かに、レントラーの言う通りだ。私達は、彼女以外の人間に嫌われていた。バカにされた。だけど、彼女は違った。私達を救った。私達を変えてくれた。私達にとって、彼女は女神のようだった。
そして、私はあることが気になっていた。
「ねぇ、レントラー。どうして、あの時、私を庇ったの？庇っていなければ、彼を止めることができたのに。そうすれば、彼女は喜ぶのに」
そう尋ねると、レントラーは静かに言った。
「…………主に嫌われるのは俺だけで良い」
その言葉に、私は気づいた。彼女の信頼を得るにはただ勝つこと。つまり、負けてしまえば彼女の信頼を失う。それだけでなく、彼女に泥を塗る行為。きっと、怒られるだけで済まされない。レントラーは私が犯した罪を庇ったのだ。
「レントラーは、それで良いの………？」
「この戦いは、情は要らない。情で左右されるほど、俺は弱い者だったんだ。大丈夫だ、こういうのは慣れている。」
「ごめんなさい……ホントに、ごめん…なさい…」
それを聞いた私は、ただ謝ることしかできなかった。
「泣くな、泣き虫。ただ、俺がいなくなるだけだ。それに今は、彼女の野望を叶えさせるのが大事なんだよ。」
レントラーはそう言うと、私は涙を堪えながら強く頷いた。
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ナノセンチメンタル(プロフ) - ついに続編が出ました。ここまで続いたのは皆様のおかげです。続編のタイトル名が変わってますのでお気をつけください。なお、続きは来週の水曜日あたりに更新します。 (2020年2月23日 20時) (
レス) id: 0e87ed2dba (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - ナノセンチメンタルさん» 続編ですか…良いですね(^_^;)是非とも読ませていただきます。 (2020年2月10日 19時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
ナノセンチメンタル(プロフ) - コメントありがとうございます！読んでくれた方が楽しんでもらえるような小説をこれからも書いていきたいと思います。この作品の続編も検討しているので、興味があったらぜひ読んでください。続編の報告は、コメント内で報告します。 (2020年2月7日 21時) (レス) id: 0e87ed2dba (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - 面白い作品です。更新頑張って下さい。 (2020年2月6日 21時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナノセンチメンタル | 作成日時：2019年12月20日 21時
