【赤羽 業】悪魔の誘い

悪魔19 ページ20

Aside



イスに縛られ身動きが取れない
重たい空気が上手く肺にいかず息苦しい



不思議な部屋
ドアが２つでそれ以外何もない空っぽな部屋



私が座らされているイスだけだ
薄暗い電球は明るくなったり暗くなったり



あれ、今何時…



「カルマとの契約内容教えてよ」



『今何時』



「聞いてるのはこっち。
質問に質問で答えるな」



彼氏がポケットから小型ナイフを取り出した
薄暗い部屋の中鈍く刃が光る



私の応答が気に入らなかったようで
私の右手に刃を滑らせた



唇を噛んで必死に声を押し殺す
手の甲を切られた



「カルマとの契約内容、早く言えよ」



『……ょ、夜の間は１人にしないこと、です』



「それはカルマからの条件で
俺が聞いてるのはAからの条件だって」



『痛ｯ…』



また手の甲を切られた
私が好きになった彼氏はもういない



体が震え始める
なにより切られた右手が痛い



後ろ手で縛られているので見えないが
ポタポタと血が滴り落ちているだろう



目に涙を浮かばせていると
彼氏が私の右肩を掴んできた



「早く言わないと右腕、引きちぎるよ」



『…、私の身の安全を守ることです』



「そうなんだ。いいことが聞けたよ。
ありがとう」



私の髪の毛がボサボサになるぐらい
豪快に頭を撫でられた



殺サレル



ナイフのエッジの部分が
私の腕を滑っていく



「じゃあ俺が今Aを傷つければ
傷つけるほどカルマの心臓は痛む。


カルマが契約の時間までにAを
見つけられなかったらAの心臓が痛む。

おもしろいね」



殺サレル

悪魔20→←悪魔18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す