【赤羽 業】悪魔の誘い

悪魔16 ページ17

Aside



時間がない

もうすぐ７時になる



「こうなったのは俺のせいだよね」



『別れてくれる？』



「…」



７時
になった



急に心臓が痛み始める
まるで誰かに鷲掴みされているみたいに



耐えきれなくなり地面に膝をつく
汗が出てきた



彼氏が傍に来てくれた
様子のおかしい私の顔を覗き込む



「どうしたの？」



『ｯ…』



声が出ない
でも少し落ち着いてきた



契約時間が過ぎると心臓が痛むようだ
ほんと、死ぬかと思った



早く帰らないと心臓がもたない
立ち上がろとすると目眩が襲ってきた



「救急車呼ぶ？」



『大丈夫。それより帰らないと…』



「タクシー捕まえてくる。ここで待ってて」



壁にもたれながら座り込む
彼氏は大通りに行ってしまい姿が見えなくなった



またいつ心臓が痛み始めるかわからない
背後につく恐怖感で吐きそうだ



カルマが絶対律儀に帰ってくる理由がわかった
契約守らなかったから自業自得だ



また不意に痛み始める心臓
握り締められている感覚



ごめん
カルマ



冷たい床に顔を打ち付けて
静かに気を失った

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