【赤羽 業】悪魔の誘い

悪魔15 ページ16

Aside



翌日の夕方
今日は早めのディナー



彼氏が予約したのは高級レストランで
１度帰って着替えてきたのは正解だった



トップスに膝丈のスカート
最後くらいは、オシャレをしてみた



別れ話をするのに変だろうか
でも最後くらいは綺麗な自分でいたいから




コース料理が運ばれてきたタイミングで
口を開く



『あの…』



「食事の時ぐらいは楽しい話をしようよ」



『…絶対だよ』



「約束」



カルマとの契約の時間までは
１時間以上もあるから大丈夫



ちゃんと７時までには帰る





.




レストランを出ると街灯がもうついていて
慌ててスマホを取り出し時間確認



６時４２分
…別れ話をしないといけないのに



「遅くなってしまったけどどうする？帰る？」



『…』



「大事な話があるんだよね」



『…うん』



さっさと終わらせてタクシーに乗れば
ギリギリ間に合うと思う





人がいない場所に移動
多少のロスタイム



建物の裏に６畳ほどの空間があった
壁にはチョークの落書きがあり



子供の遊び場で隠れ家的な所だと予想
手作り感溢れる段ボールの小さな家がある



『私と別れてほしいの』



「…」



『返事は今、なるべく早く』



時間がない
７時になってしまう



今頃カルマが帰ってきた頃だろう
私の姿が見えなくて焦ってたりして




長い沈黙
やはり後日にした方が良かったかな



残り約５分

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