空の街

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ボトルを一本空ける頃には頭はもうぽわぽわで、だんだん重くなった瞼で隣でテレビを見ながら飲んでいる横顔をじっと見ていれば


「……何すか、」


「んー…？やっぱりイケメンだなぁって？」


カッコよくて仕事が出来て、よく気がついて実は優しくてその上私より家事も全然出来て？そんなぱーふぇくとぼーいに見える須藤は一体私のどこが好きなんだろう


そういえば私がイケメンだよねって言った後はいつも
じゃあ俺と付き合います？って言ってたなぁ
あれ本当だったんだ…いつから言われてたっけ？


付き合うって事は、そういう事も私としたいとか思うのかな…須藤が…？私と……？


「ふふ…ふふふ…」

「何…」

「いややっぱり何か想像出来ないなって？」

「？」

「なんでもなーい」


ふぅんとワインを飲む唇の形はやっぱりきれいで。想像出来ないけどその唇で元カノさんとちゅーとかしてたんだよなぁ


須藤とちゅーか…


なんてぼーっと考えていればコトリとグラスの置く音がして、静かに向けられた仕事の時と違う目が私を捉えた


「え…」


真っ直ぐ見つめられたまま
須藤の手は私にゆっくりと伸びてきて


え？何…？、ちょ、


顔まで伸びた指がふに、と私の唇に触れた


「っ、、！！」
　

「ついてます」
　

「え？」



唇についたパンのカケラをとった須藤に
心臓が鳴ったのはきっと


「…パン、？そうだよねっパンだよね」

「？」

「あっそうだもう一本もあけちゃおっかっ、」


一気に立ち上がればぐらんと揺れた足元が折れて
そのまま須藤に抱き止められた


「わっ、あっぶね、大丈夫すか？」


「っ、び、くりした、ごめん、だい、じょぶっ、、」

　

須藤に触れている場所が熱くて
ワインがぐんぐん体をめぐる


「足元ふらついてんならもうやめときましょ」

「っうん、やめるからっ、あのっ」

「ん？」


覗き込まれた顔は近くて


「水っ、水のむから離してっ、」


ゆっくり離れた体温にドクドク鳴っている心臓はワインのせいで、渡された水を一気に飲めば、須藤にじっと顔を見つめられていた


「っ、何…、」

「顔真っ赤。」

「えっ、なっ、違うっ！！」

「やっぱペース早すぎましたね」

「っ、ペース…？、あぁ、うん、そうかも」

「でもこれマジ美味かったなぁ」


ネットで買えないんすかね？
とか言ってボトルを見つめる須藤はいつもの須藤で


「テレビ終わりましたね」

「え？」

「まだつけときます？」

「…いや、」

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