浪速漢組の青春物語 (ページ10)

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、

side丈

HRの時間にスマホが震えて
確認したら、恭平から

転校生が室兄弟の妹っぽいって
連絡が来た。

すぐに情報網を使って確認したら
間違いなさそうで、

前に座ってる大橋、

その横に座る大吾にも伝え

これは昼に会議やなって話になった。

なんでこんなに俺たちが
ざわついているかというと

「聞くところによると
あの妹も京都で最強のヤンキーやったらしいねん」

俺が道枝と長尾に説明する。

「え。妹も？
それって女の中で、とかですか？」

道枝が目を大きくさせて驚く。

俺は首を横に振りながら

「いや、性別関係なく
京都の頭はってたってこと」

そう言うと

「まじか…」

ぽかんと口を開けていた。

「で、そうなると
来た理由はわからんけど

京都最強にここ浪速西を
乗っ取られるわけにはいかんやん」

大橋がいいところで
俺の説明をかっさらっていき

「ああ！てことは
喧嘩仕掛けに行くってことっすね」

長尾は納得したようで手をポンと叩いた。

「お前なあ…簡単にいうけど
相手は女といえどあの、室兄弟やぞ」

俺は呆れる。

「しかも俺ら女相手にしたことないっすよね」

女には弱い恭平。絶対に女に手は出さないと決めている。

「女云々の前に、潰しとかな」

大吾は瞳の奥が全く笑っていない笑顔で
俺たちにそう告げた。