浪速漢組の青春物語 (ページ16)

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、

私が教室に入ると

案の定、ざわつく教室。

そして

"やっぱりあの、室三兄弟の"

という声があちらこちらから聞こえてきて

せっかく引っ越してまで
変えようとしていた私の高校生活の夢は

儚く散っていったと確信した。

私が引っ越す区域には
浪速漢組という不良集団がいると
つるんでいた連中から話を聞き、

そんな集団に、
もし私が室家の人間だと知られたら

絶対目をつけられるに
決まっているし

できる限り大人しく過ごすためにも

変なリスクの少ない学校にしようと

思ってここを選んだはずだった。

村上先生に言われるがまま
空いてる席に座ると

ジーっと痛いぐらいの視線が
隣の席の銀髪から向けられていて

女の勘が正しければ

彼は間違いなく浪速漢組のやつだと感じ

絶対に目を合わさないでおこうと
必死に黒板だけを見つめていた。

休み時間に声をかけられることもなく、

お弁当も1人虚しく自席でとり

放課後までがとてつもなく長く感じた。

チャイムがなり、これで今日の授業が全て終了、

と一息つく間もなく

「なあなあ」

斜め前の席の可愛らしい見た目の男の子が声をかけてきた。

可愛いからって騙されへん。

銀髪の彼と行動を共にしていたから
きっとこの子も、浪速漢組のやつや。

『なに？』

私は、
明らかに帰りたいオーラ…を隠し
必死で笑顔を作って
返事をした。