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こういう撮影は時間が過ぎるのが遅く感じる。
大人な雰囲気と聞かされた時点で覚悟はしてたし、
そういうものを撮るんだろうなあと思ってたのに…
いざ始まると、このありさま。
丈「 …A…っ、 」
慣れた手つきなのか、
撮影だから演じているのか分からないけど、
お互い床に座り込んでいるのに
わたしを見下ろしながらシャツに手をかける丈くん。
だんだんと空気に触れるわたしの肌を見つめる丈くんは
一体どんな感情なんだろう…
「 じょ、お、くん…っ 」
丈「 … 」
一定のテンポ感で聞こえるシャッター音と、
はだけたわたしの肩に手を添える丈くん。
名前を呼んでも、目で訴えても、
なにも答えてくれない丈くんが無性に色っぽい
丈「 なんもせんから… 」
ふっと、丈くんと身体が近づいて
自分の背中が冷たい布に当たったと思ったら、
さっきまで対面にあった丈くんの顔が真上にあって頭が真っ白になる。
「 …っ、じょうくん、」
撫でるようにわたしの頭に手を置いて、
片方の手でわたしの両手を頭の上でまとめる丈くん。
ここぞとばかりにカメラマンさんのシャッター音だけが響く。
丈「 … 」
虚ろな目の丈くんが、
はだけたわたしの首筋に顔を埋めて
一瞬だけ、首筋に唇が触れたのがわかった。
「 …んっ… 」
そんなことをされると思ってなかったから、
思わず眉間に皺が寄ってしまう。
そしたら丈くんは首筋から離れて、
鼻が擦れるほどの近さに顔を持ってきた。
丈「 A…っ、」
丈くんにバレるんじゃないかと思うぐらい
胸の鼓動が早くなっていく
.
『 はーい！ありがとうございます！最高です！ 』
丈「 終わったで、おつかれ 」
放心状態のわたしを起こしてくれて
顔真っ赤やぞ、と言いながら頭を軽く叩いてくるのは
間違いなくいつもの丈くんで。
さっきまでの丈くんとはまるで違う。
「 丈くん 」
丈「 ん？ 」
「 …っ、なんでもない 」
丈「 ん、楽屋戻るで 」
わたしの一歩先を歩く丈くんを見つめながら、
自分の首筋に残るあたたかみに手を当てたら
そこに残るのは間違いなくさっきの丈くんのもので。
「 んーーーっ、」
それを思い出して
カーッと恥ずかしくなったのは丈くんには内緒
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作者名：オカユ
| 作成日時：2019年6月17日 17時
