卒業 ページ9
前世から、本当にお気楽な性格をしていたと思う。
執着も依存もしない。こだわりはあるっちゃあったけど、それをすぐに変えられるような人間だった。
好きな人以外にサッパリ興味なくて、友達でもない、あまり喋りもしないクラスメイトなら秒速で忘れた。
楽観的でなんとかなるさって、ぼやぼやふわふわ流されるみたいに。
だけど、決して何かを信じたことは、なかった。
憧れの人を見つけて、その生き方に憧れて、色々と頑張った時も、ただ単に憧れた人がああだったからああなったのだ。
人はそれを羨ましいとも言うし、冷たいとも言う。
でも、嫌いじゃなかった。
流石に自分自身でもビックリする時はあったけど、短所というほど悪い性質だったわけでもないし、そういう人もいるんじゃねって。
転生して、憧れた生き方から、好きなことして楽しもうって生き方に変えた。
好きなことばっかして楽しむことばっかして、でも普通に苦しいことにも悲しいことにもぶち当たった。
その時は悲しい。苦しい。辛い。
でも引き摺ることはなかったし、すぐに消化して更に進む人間だった。
難しく考えてみたり簡単に考えてみたり。
特別な人間ってわけじゃないけれど、それでも、自分が大好きだった。
暗殺教室では、たくさんのことを学んだ。あんな中学校で学ぶことなんてないだろうって思ってたのに予想外も予想外だよ。
無関心な人でもきちんと見ることを学んだ。
色んなことを呑み込んで真っ直ぐ向かうことを学んだ。
たくさん、たくさん。
自分を変えて変えて変えて変えて、登って降りて外れて飛んで。
前までの私ならきっと、殺せんせーの暗殺計画をどことなく察知すれば、烏丸先生に問い詰めて、殺せんせーにだって伝えていたんだと思う。
でも私だってこの1年で大分変わった。
直感が鋭くなった。
死にもっと敏感になった。
貴方は死なない。そう分かってしまった。
貴方「この感覚も、育ったんだよ」
死に対する私の感覚は本当にこの1年で進化したのだ。
死期すら悟れるほどのそれを私は信じている。
信じることを、教えてもらったんだ。
貴方「だから、信じてるよ」
この感覚と、殺せない先生を。
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swl(プロフ) - 安蒜 佑さん» 感想ありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです！今後とも拙作をお楽しみいただければ幸いです。 (2022年10月7日 18時) (
レス) id: 9ed30af1dd (このIDを非表示/違反報告)
安蒜 佑(プロフ) - すごく面白くてシリーズ一気読みしてしまいました！更新楽しみにしてます！ (2022年10月7日 1時) (レス) @page6 id: 789e459cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mol/L | 作成日時：2022年9月30日 22時
