暗殺者の弟は泣き虫ヒーロー part１【東京卍リベンジャーズ×暗殺教室】 (ページ18)

今日:4 hit、昨日:25 hit、合計:82,504 hit

火の用心ページ18

ふらふら散歩は気が乗れば1時間2時間と過ぎていて、気付けば隣町なんてこともザラ。
　道なんていちいち確認してないので迷子になりかけることもあるくらい。そういう時はカンに頼れば着くけど。

　ふっと意識を取り戻してはてさてここはどこだろうと見渡すと、さっぱり見覚えがない。
　夕暮れ時の視界先に上がる煙とパチパチと言う音に、は？とそちらを見た。

　斜め前方の一般家屋から煌々と火の手が上がっていた。

貴方「っ！」

　バッと走り出す。周りで見てる連中は何してんだよ！
　火はもうかなり回ってる。近くにいた少年に声をかける。

貴方「状況は？」
？「え？あ、中に2人」
貴方「分かった」
？「待って俺も！」

　……真剣な目だ。止めても入るだろう、私が行くんだからって。ならまだ安全な方を任せるか。

貴方「死ぬな、1階任せる」

　庭のホースから水を拝借して私と少年に(無断で)掛けると急いだ様子の少年はドアを蹴破る。
　残ってるのが知り合いなんだろう。

　入った側に1人いて、その子を任せて2階に駆け上がった。

　バンバンバンと次々ドアを開け、1つの部屋に扉近くで倒れているのを見つける。

貴方「くそっ！」

　まだ息はあるが煙を吸ったんだろう、意識がない。火傷もしてる。
　廊下はもうダメだ、火が回ってしまった。窓だな。
　直接触れば火傷するので勉強机の前にある椅子を外へぶん投げる。バリーンと音を立ててガラスが割れた。

　よし、背負って布で庇って突っ込む。

貴方「あ、っっぶな！」

　本棚が燃え落ちて、女の子に落ちるところだった。右前腕は確実に火傷したけど、これくらいじゃ死なないから大丈夫。
　まだあまり燃えていないコートを引っ掴み、女の子を背負い、その上からコートを羽織る。前の方を隠すように。

　勢い良く駆け出して、コートで割れた場所に触らないように突っ込み飛び降りた。
　空中で体勢を整え女の子に負担の少ないよう出来るだけクッションを加えつつ着地した。

貴方「ふぅ」

　ギリッギリだった。あと数秒遅ければ崩れるのに巻き込まれてただろう。良く頑張った私。

？「赤音さん！」

　あの少年がこちらに気付いたのか駆けてくるので、近付くのは危ないと私の方から駆け寄る。