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暗い帰り道後頭部に鈍い衝撃が走り、目が覚めた鎖で雁字搦めにされて車の後部座席に転がされていたのだ。
ミラー越しの運転手は、私を特に恨んでいただろう野間という同僚。
野間さんはあるプロジェクトを狙っていたのだが、私がそれを任されたのだ。妥当だとは思うけど。野間さんってお世辞にも仕事は出来ると言えないから。
あとそれだけでなく、野間さんの元カレにも惚れられていたらしい。正直数回仕事のやり取りしただけの相手なので痴話喧嘩は他所でやって欲しい。
取り敢えず不本意だけど色々フラストレーションを向けられてるのは分かってた訳だ。
だからといってこれは、ヤバいだろう。
車は港の方へ進む。
これ鎮める気だなぁ？ よし血を残しとこう。
野間「あ、起きました？ 大人しくしてくださいね。氷室さんが悪いんですよ？」
うわぁ、本格的にヤバい女だ。
目がぐるぐる濁ってる。ヤンデレとかメンヘラだ。元カレ君は今すぐ逃げるべき。
野間「さ、降りてください」
貴方「これで大人しく降りるやついるの？」
野間「うるっさい！ 刺されたいの！？」
貴方「っ！」
いや既に刺してる！
とは言わないけども！！ いった！ あっつ！
沸点が低いのか。いや多分情緒が不安定なんだろう。少し煽ればナイフで太腿を刺してきた。
あ、これ逃げるの無理じゃん。まぁ、元々望み薄だったけど。何せぐるっぐる巻きだ。
え、死にたくないよ普通に。
でも現実は無常で、もう車は海の真横。
抵抗しようにも足はこれだから、踏み止まれずズリズリと引き摺られる。
証拠残すために物ぶんどって海に浮かせるつもり。
あと血もたっくさん車につけといた。
捕まってください本気で。多分その方が元カレだけでなく世のため人のためだ。
野間「ばいばい氷室さん❤︎」
貴方「狂って地獄に堕ちるがいいわ」
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作者名：mol/L | 作成日時：2022年8月3日 20時
