デュラハン (えお) ページ6
散歩付き合ってー、と間延びした声で電話をしてきたえおえお。
丁度暇だったので、OKと即答。
駅で待ち合わせして、「えおえおの行きたいとこについて行くよ」と伝えれば、えおえおは嬉しそうに「ん。」と短く返事をした。
えおえおのあとを着いて歩く。
後ろから眺めると、まるで首が身体と離れてるとは思えないスタイルの良さだ。
「何見てんの」
不意にえおえおが振り返る。
「いやー、...そういや、今日はなんで私に白羽の矢が立ったわけ?友達いないの?」
盗み見ていたのがバレて、誤魔化すために話題を逸らす。
「いないよ。首がこんなだし。」
自分の頭を指差して笑う。
今でこそ、こうやって笑ってはいるが、我々のような存在は、少なからず人間に避けられてきたわけで。
「なんかごめん」
同じ存在だから、もっと話題選びに慎重になるべきだった。
狐耳があったら、限界まで垂れ下がっていただろう。
しゅん、と頭を垂れる私の頭に、ぽんぽんとえおえおの手が乗る。
「気にしないで。今はあいつらもAもいるんだから。」
笑顔のえおえおは、本当に幸せそうで。
「うん、私も、皆がいて良かった。」
つられて笑うと、「それに、」とえおえおが続ける
「いい事もあるよ。...例えば...バックでヤ るとき、顔見えるんだよね。首が離れてると。」
「...最低!!」
えおえおが余りにエ ロい顔をしていたので、思わず全力でビンタ。
吹っ飛ぶえおえおの首。
「ちょっとー!酷過ぎない?!」
だんだん遠くなる、殴られたのに何だか嬉しそうな声。
「ふふっ...ごめ、えおえお...頭飛んでっちゃった...」
そのシュールな光景に、不謹慎にも笑う。
幸い周りに人はいないようで、えおえおの身体は慌てて頭を拾いに行った。
ーーーーーー
数メートル飛んだ俺の首を見て笑うA。
異形の俺にも普通に接してくれる彼女もまた異形の者。
首を拾い上げ、元通りに身体と繋げれば、追いかけてきたAが、頬についた土を払ってくれる。
「ごめんね、えおえお。汚れちゃった。」
申し訳なさそうに眉を下げる彼女に、「んー、帰ったらすぐ風呂に入るからいいよ。...なんだったら、一緒に入って、さっき言ってたこと、試す?」って聞いたら、本日2発目のビンタが飛んできたのだった。
(自分が自然体でいられる、かけがえのない存在。)
fin.
>>>>
えおえおさんがエ ロ魔人になっちゃった。
バックで〜のくだりが描きたかっただけ
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作者名:名無しの夢女子 | 作成日時:2019年1月8日 22時