閑話休題。デレる(MSSP)FB視点 ページ30
※Skype通話中
「Aちゃん俺らのライブ来ないのー?」
きっくんが唐突にAにそんなことを問う。
そういえば、Aは最近めっきり会場に遊びに来なくなったことを思い出した。
『んー、そうだね、都合がついたら、いつか。てか夏は暑いし、ね。』
ヘッドセットから聞こえる歯切れの悪い答え。
きっくんはそれじゃあ納得しなかったようで、味方を増やそうと畳み掛ける。
「えー?!それ冬のときも言ってたんだけどー?!
Aちゃんに来て欲しいなー!ねぇ、あろま?」
「え?暑いんだったら仕方なくない?」
あろまはいつもの調子で答える。
「ダメだこの吸血鬼。えおえおは? Aちゃんに来て欲しいよね?」
「んー、都合つく日が遠征の時だけだったら、Aの負担になるだろうし無理には誘えないかな」
えおえおは困ったようにそう言ったあとに、「来て欲しいかどうかで聞かれたら、来て欲しいけど」と付け加えた。
「ほらぁ!えおえおは来て欲しいって!遠征費用はFBがたぶん出してくれるからどっかおいでよ、ねぇ!」
一気にテンションの上がったきっくんが、そんな無茶なことを言う。
「勝手に決めんなし!...まあでも、Aが来たいならちょっと考えるけど」
とはいえ、来て欲しいって気持ちはきっくんと同じなので、最後は尻すぼみになってしまった。
「さすがえふちゃん!ホラ、予定会う日ないの?!」
『...ない、』
ハイテンションのきっくんとは裏腹に、暗い声のA。...これは何かあるな、幼馴染の勘がそう言っている。
「...お前なんか隠してるべ」
でもそう思ったのは(悔しいけど)俺だけじゃないようで、あろまが不機嫌そうにそう言った。
『...。...遠い、から』
「遠い?」
えおえおが優しく反芻する。(ここでもフォローに入るタイミングを取られてしまった。)
『...みんな、すごく遠くに感じて、寂しいから、行きたいけど、苦しくなる』
途切れ途切れにそう呟いたAの声は、いつもみたいな元気いっぱいじゃなくて。
「可愛いとこあるじゃん」
あろまが満足そうにそう言うのを、俺はニヤけた口許を手で隠して聞いていた。
*********
3ヶ月ぶりに文章書きました...技術が衰退している...
これ人外妖怪関係ないな?!ってなったけど、ちょうど夏ツ中なので思いついたから書きました。
申し訳程度の暑さに弱い人外設定、後付けです。無理矢理感...
出会い編のきっくんを書かねば...!
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作者名:名無しの夢女子 | 作成日時:2019年1月8日 22時