隔離された世界 ページ8
金髪の少女に連れられ、関井という町の門をくぐる。
「うわぁ……」
思わず、驚いて声が出てしまうほどの豪華な街並み。
ついでにふと思ったのは、ここは日本ではないという事。
少なくとも、変な男が現世と常世の境がどうとか言っていたし、
日本どころか知っている街のどこにも当てはまらないのは確かだ。
「美琴さん？」
金髪の少女が不思議そうに私を見ている。
「ごめんなさい、何でもないの」
そうして、本当に何でもないという体を装い、少女の後ろにくっついて歩きだす。
少女に案内されたのは、これまた派手な装飾が施され、どことなく城のような雰囲気のある
建物だった。
「えっと……」
戸惑う私に、
「ごめんなさい、私名乗ってなかったわ。」
とマイペースな発言が飛んでくる。
「私の名前は才華。そしてここが私の家」
「家！？」
そりゃずいぶん大きな家をお持ちで。
と皮肉ってやろうかとも思ったがやめた。
才華は私に
「やっぱり、ケイキが言ってたのは貴方ことみたいね」
と意味不明な言葉を投げかける。
「ねえ才華」
この際、馬鹿と思われても構わない。私は勢いで聞いた。
「ケイキって誰？それと、ここはどこ？何で私はこっちに来たの？」
一気に問い詰めたので気分を悪くされたかな、と才華の顔色を窺うと
「美琴が気になるのも無理ないはずね。ちゃんと説明します」
そう言いながらドアを開け、家の中へと私を招く。
「適当に座ってくれて構わないですよ」
「て、適当って」
見た目が大きいことと装飾から想像はついていたけれど、中もずいぶん豪華だ。
シャンパンタワーのようなものまで置いてある。
一番近いところにあるソファに座ると、才華もその隣に座った。
そして、
「まずは、謝るわ。こんな場所に連れてきてごめんなさい」
といった。
「ま、まあ……」
どういうわけか、今すぐに帰りたいという気持ちが薄れた。
才華があまりにも丁寧な対応をしてくれるからだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さな(プロフ) - あと、読者の私からすれば行間を開けることや、登場人物の詳しい特徴…または情景描写が使われていたらもっともっと良くなると思います。初めましてのくせに生意気ですいません！ (2020年1月1日 1時) (
レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - はじめまして。この作品がランキングの上位に入っていたので読まさせていただきました。オリジナル作品は基本的に目を通さないのですが、このお話はすごく先が気になります。 (2020年1月1日 0時) (レス) id: d6e98db13a (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - 名無し24146号さん» コメントありがとうございます<m(__)m>確かにそうですね……人の様子がわからないと内容が分かりにくいということになりますね。意識してみようと思います。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - 十二国記さん» コメントありがとうございます<m(__)m>ええと、アンチスレというのがよくわからないのですが、評価の荒らしというものがあるという事ですか？ (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - めぐっぽいど(偽物)さん» ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：陰月。 | 作成日時：2019年2月1日 11時
