七 ページ8
意外なことに、小説の続きを書いてみたら、いつもより格段に速く書き終えることができた。
下手したら、原稿用紙一枚分書くのに一時間もかけてしまう。
なのに、今日は原稿用紙一枚を二十分で書くことができた。
――まだ、どんな小説にするのか、先が全く見えなかったのに?
藤崎さんとさくらのおかげ?
それとも、日坂にカフェに連行され、やたら長い話を聞かされたから?
理由はどうであれ、今日は有意義に過ごせたんだと思う。
夕飯を食べ終えると、スマホが鳴った。
「あれ、紗月電話番号交換したの?」
「ううん、してない」
クラスメイトは誰も知らないはずだと訝しみながら画面にタッチする。
電話では無くてLINEだった。
さくら紗月の携帯の電話番号、クラスの連絡網にあったからメールしてみたけど、届いてる?
あ、そういうことか。
誰にも教えていないのに……なんて考える必要なかった。
紗月♪うん、届いてるよ。何かしたの?
さくらあ、届いてた?紗月の書いているって言う小説、読みたいなって思って……
よりによって!
でも、正直人に見せた方がいいかもしれないな、とは思ってた。
それは、小説を書くのが上手だってうぬぼれている訳では無くて。
他人の正直な評価をもらった方が、自分にとっていい刺激になるってことを聞いたことがあるから。
紗月♪恥ずかしいんだけど、いいよ。あ、でもあまり人に見せられるほど上手に書けていないよ。
さくらそれは読んでみないとわからないじゃん。あ、それなら今度私の家に来る?あまり人に見られたくないなら、その方がいいかなって思ったんだけど。
紗月♪そうさせてもらうよ。この話はまた今度しようか。おやすみ。
いろいろと考えている暇もなく、ポンポンとリズムよくメッセージが送られてきていたけれど、もう夜遅い時間になっている。
携帯をサイレントマナーにして、小説をキリのいいところまで一気に書いた。
そう言えば、さくらは私の小説のことを気にしていた。
さくらも、本当は小説を書くことに興味があるのかもしれない。
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うたは(プロフ) - 陰月。さん» わざわざ返信ありがとうございます。ううん、なんでしょう。私からすると多いなあという印象なのですが、陰月。さんが書いていて心地よいならこのままでも、と思います。指摘した身だというのに申し訳ございません。これからの御活躍お祈りしています。 (2019年2月17日 17時) (レス) id: 14b840c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - うたはさん» 今更の返信すみません。やはり開業が多い方が読みやすいでしょうか?少し多めにしてみます。わざわざありがとうございます。 (2019年2月17日 11時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
うたは(プロフ) - はじめまして。このお話好きです。が、すみません、文の途中での改行が些か読みづらく感じました。これからも応援してます。頑張ってください。 (2019年1月20日 23時) (レス) id: 87a0c9cf89 (このIDを非表示/違反報告)
陰月。(プロフ) - コノハ【心葉】さん» コメントありがとうございます<m(__)m>気づくのが遅くなってしまいすみません(-_-;)夢が小説家、とはっきりしていていいと思います。 (2018年12月29日 19時) (レス) id: 83a189451f (このIDを非表示/違反報告)
コノハ【心葉】 - 私の夢が小説家なので、なんか、元気付けられました。 (2018年11月14日 17時) (レス) id: bac5683ead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:陰月。 | 作成日時:2018年3月22日 16時