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ある人間の話をしよう。
無から始まったソレは、いつか、恋をした。
一目惚れとは、暴力のようなもの。
そう言ったのは誰だったか。アレは、双方に通じるものなのだろう。
ただ───美しいと、思ってしまった。
しかしそれを理解することはできずに、ただ探ることにした。
しかしそうしているうちに、足は底なし沼に取られるばかり。
しかしそれを幸福とすら思っていたのだ。
暖かい日差し。
桜の舞う、太陽の下。
ある少女に、何度も恋をした。
……ある人間の話をしよう。
狩るべきもの。
守るべきもの。
見誤るな、という憎たらしい言葉。
しかし今、それを思い出した。
守るべきものを、守るために。
ただ、前へと進んだ。
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FILE.48 ある人間の話#3 ページ48
話を戻そう。
ある人形は、愛を知ったことにより人間になってしまった。
ソレは、努めて人形であろうとした。
ソレは、努めて機械であろうとした。
そうあろうと思い続け、事実、なってしまったのだ。
それは虚しいことだ。
ある人間がそう思ったことにより、人形は人間になってしまったのかもしれない。
名前を呼ぶ。
名前を呼ばれる。
ただそれだけでも、愛しさを覚えてしまうほど。
ただそれだけでも、苦痛で倒れてしまうほど。
愛というショックは、人形には大きすぎた。
愛という熱は、人形に火傷を背負わせた。
なので。
人形は───人間に戻ってしまった人間は。
殺すことにした。
殺すしかなかった。
それがあまりにも苦痛で。
それがあまりにも許せなくて。
ただ憎しみと愛を抱き、殺意が育ってしまったのだ。
……ある人間の話をしよう。
ソレは、『殺す』という手段をもって、自己を守ることにした。
ある人間の話をしよう。
無から始まったソレは、いつか、恋をした。
一目惚れとは、暴力のようなもの。
そう言ったのは誰だったか。アレは、双方に通じるものなのだろう。
ただ───美しいと、思ってしまった。
しかしそれを理解することはできずに、ただ探ることにした。
しかしそうしているうちに、足は底なし沼に取られるばかり。
しかしそれを幸福とすら思っていたのだ。
暖かい日差し。
桜の舞う、太陽の下。
ある少女に、何度も恋をした。
……ある人間の話をしよう。
狩るべきもの。
守るべきもの。
見誤るな、という憎たらしい言葉。
しかし今、それを思い出した。
守るべきものを、守るために。
ただ、前へと進んだ。
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作者名：名無しさん | 作成日時：2025年2月6日 23時
