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その二 ページ17

何度掛けても通信に出ない大先生に痺れを切らし、強制通信を掛けるが一向に返事が帰って来ない。
まさか寝てる?なんて思ったが書類が提出されへんと、頭を抱えていたトントンを見掛けたから多分ない

何か聞こえて来んかと耳を澄ませば、酷く潰れた猫の鳴き声が微かに聞こえて来た。
余りにも可笑しいその状況に、嫌な汗が背を伝う。

『緊急連絡!!鬱先生が何らかの攻撃又は襲撃を受けて反応が無い!動ける幹部は現場に向かってくれ!』

インカムの通信を幹部全員に繋げば了解の返事と共に、風を切る音が聞こえて来る。
あとはアイツら任せ、何が起こったのかを掴む為に一面に取り付けたモニターに目を向けた。




程なくして、気を失い倒れていた鬱先生と愛猫を医務室に搬送したと連絡が届いた。

現場を見たエーミール曰く、色味の薄くなった室内の真ん中で鬱先生はくろみつを抱えて倒れていて、焼け焦げた首輪と粉々に砕けた何かが近くに落ちていたらしい。

ショッピくん曰く、ソレは数日前からくろみつの首輪に着いていたこの国のシンボルをモチーフにしたメダルらしい。
果たしてどちらを狙ったのか。メダルだった物を調べようにも、爆ぜて粉々になってしまい調べようも無い。

そしてペ神の報告曰く、飼い主である鬱は衝撃をモロに喰らったらしく、当分はショックの影響で起きんらしい。
鼓膜自体は一応無事やったらしいが、聴力が落ちてる可能性があるし、モロに閃光を見てしまったかもしれんから視力が残ってれば御の字。
あいつ自身がスタングレネードの威力を嫌という程は知っている筈なのに、飼い猫を守るなんて。
呆れと同時に、鬱先生らしいなぁと思ってしまった。



頼むから何時もみたいに、何も無かったみたいな顔して戻って来てくれ
なんて皆が寝静まって酷く冷たい印象を覚える真夜中に、柄にも無くそんな事を思いながら
眠り続ける鬱先生の病室を後にした。




-------------余談--------------
こういった話を書くの大好きです。

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Licorice(プロフ) - コメント失礼します…めちゃめちゃどタイプの小説です。続き楽しみに待ってますッ! (2021年11月3日 17時) (レス) id: a0eadc7796 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七瀬弥生 | 作成日時:2021年8月9日 3時

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