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28話 ページ29

帰りの電車の中で敦くんがそういえば、と言った。

「どうしてそこの子…えっと名前は…」

「Aって言います。」

「Aちゃんは太宰さんと一緒にいたんですか?」

そういえば、まだ私が入社するって事は誰にも言ってなかったんだよね。
…って事は今のところ太宰さんが勝手に言ってるだけで社長さんや他の社員さんに許してもらえなかったら入社できないんじゃ…。
ちょっと、心配になってきた。それで言葉に詰まっていると、太宰さんが代わりに答えてくれた。

「Aちゃんを武装探偵社に入れようと思ってね。私個人でちょっとした面接を行っていたのだよ。帰ったら社長に推薦してみようかと思う。」

面接…あれが…?私凄く食べまくってましたけど、あんなのが面接でいいのだろうか。面接って態度とかも見るんじゃ…。
まぁ、いっか。

「で、その面接の帰りに無理矢理川に投げ込まれ、息をするのに必死という状態で網に引っかかり、救出されました。…お風呂入りたい。」

あの川、結構ゴミとかも浮いていたのだ。あんなところを流れていたから、ちょっと臭い。

「て、Aちゃんに何してるんですか!この子四歳ですよ?太宰さんの川流れにこんな小さな子付き合わせちゃだめです!」

「いや、敦くん。その子中身十八(自称)らしいから。」

自称って何?自称って!!
ホントだってー。確かめる方法が無いから信じるって言ってたじゃんか!私本当に中身十八だかんね!

「中身十八歳?どういう事です?はっ、まさか何らかの異能で入れ替わっちゃった…とか?」

「違いますよ敦くん。異能じゃないです。」

「じゃあ十八って…」

流石に転生しましたーとは言えないよねぇ…。太宰さんには言ったけど…。『こちら側の対応が変わってくる』なんて言われたら正直に答える他無かった訳で。

「私の現時点での頭のレベルが十八歳辺りって事ですよ。ほら、私周りの四歳児に比べてちょっと賢いでしょ?」

「ちょっとどころじゃないよ君。」

乱歩さんにそう言われた。

「四歳にしては頭が良さ過ぎだ。勿論、僕の足元にも及ばないけどね!」

そう言った後、乱歩さんは飴をポイッと口の中に投げ入れた。

そういえば、敦くんも乱歩さんも四歳児が入社するかもって事に関してツッコまないんだなーっと思った。
この調子なら皆普通に受け入れてくれそうかもと思い、少しだけ安心した。

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椿(プロフ) - 敦くんの茶漬け食いたい(( (2019年2月20日 18時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
小山田リリ - ましゅ麻呂さん本当に尊敬します!!私も頑張ろ)) (2019年2月19日 20時) (レス) id: 196d5d8b2f (このIDを非表示/違反報告)
茨姫 - とても良かったです!私も頑張ってみようと思ってみました! (2019年1月26日 22時) (レス) id: 6a42e59c6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年1月26日 20時

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