18話 ページ19
「あなたの考察は大方あってますが、違いますよ。」
「じゃあ真実を教えてくれるかな?」
私は口を噤んだ。出会って間もない人にこういう事言ってしまっていいのだろうか。多分、転生説なんて一生モノの重大な秘密だと思うが。
「大丈夫、信用してくれ。確かに出会って間もない私に説明するのは不安かも知れないが。それによってはこちら側の対応が変わってくる。」
そう言われて、話すことにした。
正直、さっき記憶が流れてくるまでは私も何がなんだか分からなかった。けど、分かった。
私、転生したんだなって。有川Aっていう人格が死んじゃったから、転生前の私の人格が出てきたんだなって。
「有川Aちゃんは、母親からのあたりが強くて、既に死んでしまってるんです。七日間何も食べず…餓死してしまいました。多分、有川Aちゃんという人格が死んだ事で、有川Aの転生前の人格、つまり私が出てきたんです。」
有川Aは確かに私だ。私だけども私じゃない。うーん、ややこしい。
同じ魂の上に転生によって上書きされた人格が死んで剥がれて、上書きされる前の古い人格が出てきたって感じかなぁ。
「ちなみに転生前は十八歳。花の女子高生d…「じゃないよね?」…はい。」
早々に太宰さんに否定されてしまったよ。
トホホ…。
「ここから先は、言いたくないです。」
だって、前職でしょ?あんなの言いたくないよ。ろくでもない仕事だし。
「まぁ、十八歳と言う年齢で血塗れの現場に慣れていて、小さな体になっても機関銃持った大人相手に軽傷を負わせる時点で職業は限られて来るけどね。」
うぅ…。返す言葉がないです…。
「まぁ敢えて言及しないでおくよ。非現実的だけど、信じるしかないね。確かめる方法が無いから。転生って事は異能は絡んで来ない訳か。
あと、家出した理由も分かったし、無理に交番に届けたりはしないよ。」
その言葉を聞いてホッと息をついていた。
「ねぇ、ところで…」
そう話しかける太宰さんの方を見ると、何やら目をキラキラさせている。
「死んだ後、転生しちゃうの!?輪廻の輪みたいなもので?ねぇ、どんな感じだったか教えてくれたまえよ!私、こう見えても自○愛好家でねぇ。死後の世界には多少興味がある!」
今の発言で、私の中での太宰さんの評価が、もう十数段階下がった。
自○愛好家ってなんだよ。
「覚えてません。」
そう言ってお茶を啜ると。
「えぇ…。」
太宰さんが残念がっていた。
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椿(プロフ) - 敦くんの茶漬け食いたい(( (2019年2月20日 18時) (レス) id: e36d1c7298 (このIDを非表示/違反報告)
小山田リリ - ましゅ麻呂さん本当に尊敬します!!私も頑張ろ)) (2019年2月19日 20時) (レス) id: 196d5d8b2f (このIDを非表示/違反報告)
茨姫 - とても良かったです!私も頑張ってみようと思ってみました! (2019年1月26日 22時) (レス) id: 6a42e59c6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年1月26日 20時