25話 ページ26
それから円堂、一星、Aは室内のグラウンドへ移動して練習を始めた。
「よーしッ、 A─っ! お前からだ!!」
「わ、 私からですか?」
「先輩見せてください!
試合で使ったあの必殺シュート…僕凄く好きで…!」
一星は早く早くとでも言うようにワクワクした様子でAを見詰める。
Aはその様子を見てくすりと笑うと、 こくりと頷いた。
「好きだなんて嬉しいな…。
じゃあ…行きます、 円堂さん!」
「ああ! 来い!!」
「はぁあッ…! "セラフウィング"!!」
Aは赤い羽根を背中に生やして高く飛び上がり、そのまま赤と金色のオーラを纏ったボールを力強く蹴る。
「"風神雷神"! はぁあっ! くッ…うわぁあッ!」
円堂は技を出してAのシュートを止めようとするが、 Aの威力が勝り、 円堂が出した二つの魔人はボールの威力で掻き消されてしまいゴールネットへと突き刺さった。
Aはやり過ぎた、と思いながら慌てて円堂の元へと駆け寄る。
「だ、 大丈夫ですか!? 円堂先輩っ…」
「たはは…大丈夫だ! やるなぁA、 流石は天空の熾天使だな!」
「ありがとうございます」
円堂は空笑いしながらも立ち上がれば、 Aの肩をぽんぽんと叩く。
褒められたAは嬉しさから口元を緩めて微笑んだ。
「お疲れ様です、 先輩!
凄く綺麗なシュートで見蕩れました…もう大ファンになっちゃいましたよ!」
「ふふっ、ありがとう、一星くん。嬉しいな」
Aがベンチに戻って水分補給しようとすると、 既に準備していたのか、
一星が両手にタオルと水が入ったペットボトルを持ちながらAに駆け寄り、 2つを差し出してきた。
Aは有難く受け取って一星を見ると、 昨日のことを思い出したのか、 そっと一星に声を掛ける。
「…ねぇ、一星くん。昨日の事だけど、 何で私のこと──」
「次、俺行きますね!!」
「え、あっ……えぇ…」
Aが一星に問い掛けると、 一星は"態と"Aの言葉を遮るように自分の言葉を被せて、そのまま円堂の元へと走っていってしまった。
Aは少し驚くも、 何も思わなかったのか「…やっぱり、 気の所為なのかな」と思い込み、 そのまま昨日の件については気にすることをやめて、 ベンチに腰を掛けて二人の様子を眺めた。
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作者名:りはる x他1人 | 作成日時:2020年3月20日 16時