22話 ページ23
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「Aちゃんありがとう〜!助かっちゃった!」
「すみません紅月さん、昨日の試合で疲れがまだ残ってるというのに…手伝ってもらって…。」
「そんな、気にしないでください。マネージャーさんたちは皆のユニフォームなどを洗濯をして、更にはご飯を作ってて大変そうだし…それに、手伝いは好きなので」
「っ〜〜もうっ! Aちゃん大大ッ、大好きーっ!!」
つくしはニコッと微笑むAにキュンッとすると、勢いよくむぎゅうっと効果音が付きそうなほど抱き付いてきた。
杏奈は失礼じゃないかと思って"つ、つくしさんっ"と焦るも、抵抗しないAを見ては大丈夫そうだと思い、つくしを止めずに苦笑いを浮かべた。
すると、"おい天使!"と声が降り掛かる。
声がする方へ振り向くと、そこには吉良ヒロトがいて、Aに近付いた。
「何…? 吉良くん」
「時間まで俺と勝負しろよ」
「…勝負ねぇ…」
突然の発言にAは薄く苦笑いを浮かべた。
何故吉良は勝負をしろと頼むのか、Aは大体察していた。
大方昨日の試合、Aのプレーを見てライバル視したんだろうと。
「ちょっと天使を借りるぜ」
「あっ、ちょっと!?」
吉良はAの腕をガシッと掴むと、室内グラウンドへと連れていこうとそのまま腕を引っ張る。
Aは男の力に適わないまま、吉良に連れていかれてしまった。
「かなりライバル視してるみたいですね…。
…? つくしさん?」
「これは……っ、恋の予感!」
「へ?」
「だって灰崎くんには勝負に誘わなかったのに、Aちゃんには誘うなんて…!!これは恋しかないよ杏奈ちゃん!」
「いえ、それはないんじゃ…」
一人で盛り上がってるつくしに、杏奈は唯苦笑いしか浮かべなかった。
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「はぁ…ッ、 はぁ…」
「…そろそろ時間だけど。」
あれから約2時間後。
吉良からボールを奪ったら勝ちという簡単なルールなのだが、Aはあっさりとボールを奪う。
吉良は悔しさに"もう一回だ!"と何度も同じように勝負をするが、すぐにAに奪われてしまう。
結局吉良は一回も勝てないでいて、疲れからグラウンドに寝転んでいた。
「くそっ…女からボール奪えねぇとか…」
「ちょっと…女だからって舐めないでよ」
Aは吉良の発言に苦笑いを浮かべ、吉良に手を伸ばす。
吉良は差し伸べられたAの手と、Aの顔を交互に見た後、手を取ってゆっくりと立ち上がった。
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作者名:りはる x他1人 | 作成日時:2020年3月20日 16時