呼吸をしろと言われても、息はしてるよ（ドヤ【鬼滅の刃】

六話『生きとし生きる者の物見遊山』 ページ6

一先ず、天狗さんはここに居着いてもいいと言ってくれた。


なんていい人なんだ！と思ったが、本当は罪悪感しかない。


今やけくそにそんなことしてもらうわけにはいけません！！と言って出ていったとしても、それこそ迷惑になりかねないからだ。


今の俺には何もない。


西洋風な服と天狗さんに言われた制服は、ボロボロになってしまった。


洗って、少し縫えばまた使えるのだと言われたが、なかなか見ない造形ということでそれは着ずに、天狗さんから貰った天狗さんの昔の着流しを貰うことになった。


貸す…ではなく、貰う…っていうのは、別段質のいい着物ではないらしいからだ。


それでも有難い。


何かと気にかけてくれる天狗さん。


そんな天狗さんは色々なところを＿＿＿＿ほとんど近場ではあるが＿＿＿＿案内をしてくれた。


畑はそこそこ大きくて、山の中だからか、沢山の木があって、楓の木が多いように感じた。


もしかしたら紅葉の時期には山は真っ赤になるのかもしれない。


天狗さんはお面をとらない。


天狗さんは不思議な人で、重そうなものを持つときも軽々と持ったり、俺が足をもつれさせた時なんかは素早い動きで助けて貰った。


山は少し凸凹としていて歩きづらい。


でも、天狗さんは悪い人ではないし、俺を騙そうとしているわけではないのはわかるので、そろそろ落ち着いてきたし、畑の手伝いくらいはできると思う。…思いたい。


畑仕事とか大丈夫かな？


育てたことあんの小学校の朝顔とか向日葵くらいなんですけど……


不安しかない。

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