やけ酒 ページ22
今頃、丸ちゃん何してるのかなぁ…
もう気づいちゃったかな、あの事。
「飲んでるの、かな。」
丸ちゃんならありえる。
しかも、やけ酒(笑)
普通だったら私もやけ酒をするばすなんだろうけど…
なんでだろう。
私もうっかり忘れてたからかな。
今頃丸ちゃんが飲んでいるであろうビールを
プシュッと開けて
「かんぱ〜〜いっ」
丸ちゃんへ届け!なんて思いながら一口、口に含んだ。
無意識にテレビをつけて、目が止まる。
「この前、彼からプロポーズされたんですけど…なんと彼、結婚指輪忘れてたんです!!もう最悪ですよぉ!」
芸人「や〜!それは災難でしたね!」
「で、ムードが壊れちゃって結局怒って帰りました。」
芸人「え〜〜!!勿体ない!」
「だってぇ、ちゃんと準備してからして欲しいです。プロポーズって、大切でしょ?」
あぁ…そうなんだよね。
まだ十代の若いモデルさんにこんな当たり前のことを教えてもらう…なんて情けなくなってビールをゴクゴクと飲み干した。
私は丸ちゃんと恋人になっただけでも嬉しいから
プロポーズされてもっと嬉しくなって、
悪い所が見えなくなっていたのかな。
付き合っててずっと、好きだけで何でも乗り越えられる気がしてた。
ううん、乗り越えなきゃいけないって、
丸ちゃんを幸せにする…って、
誓ったからね。
「"普通"って、なんなんだろうな、」
頰から涙が伝う。
もっと、丸ちゃんを幸せにしたいな。
そのままの私で。
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作者名:なな | 作成日時:2018年6月10日 22時