失敗は成功のもと! ページ20
丸ちゃんside
収録が終わった後をよく覚えていない。
がむしゃらに走って、ずっと予約して頼んでおいた指輪を取りに行った。
「すみません、こちら特注ですので…すぐにご用意することが出来ません。もう少々時間がかかりますので………」
「………あっ…」
そうやった、記念すべき結婚指輪と婚約指輪はこだわった物にしたくて章ちゃんにもちょっと意見を聞いてデザインしたんやった。
「なんてことを〜〜〜〜」
「……申し訳ございません。」
出来たらすぐ連絡するようにと伝えて、しぶしぶお店を出た。
「あっ……あ〜〜〜」
Aちゃんに顔向けが出来ない…てかもう気づいてるんかなぁ。こんなことになるんやったらAちゃんと指輪見に行くんやった。
でも、なんて言うか…
「前触れもなくあげるん夢やもん…なぁ」
前触れって、プロポーズしちゃって予告してるけど!!
俺がデザインした世界でたった一つの指輪を…
Aちゃんにあげたいから。
クルリとアイドルターンをするとピコンッとLINEが鳴った。
Aちゃん…!
なんてそう思っとったけど、現実はそんなに甘くない。
「丸山さん?まだ仕事ですか?」
………
そうやった。
今日はリエちゃんとご飯行くんやった。
来た道を引き返す。約束していた店に入るとすぐに案内された。
ガラガラ…
「す、すみません…仕事で遅れちゃいました〜」
嘘です。彼女…いや、奥さんの指輪を取りに行ったけどまだ出来上がってなくて悲しみに暮れていた夫です。
「お疲れ様です〜〜!なんだ、私ドタキャンされたのかと思いました(笑)」
「そんな訳ないじゃないですか〜〜!リエちゃんとご飯楽しみだったんですよ。」
本当はそれどころじゃないです。
Aちゃんに会いたい…
なんでLINEしてくれへんの……
もしかして怒ってる?…そりゃ怒るか……
俺はどうすればええの…(´・ω・`)
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作者名:なな | 作成日時:2018年6月10日 22時