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伊地知｢封印解いちゃったんですか？！？！｣
五条｢うるせぇ｣
風を起こして消えてった直後、5秒も経たずに戻ってきた五条先生。
腕には胸にぽっかりと穴の空けた葵夜が抱かれている。
規約違反なのか、後ろにいる伊地知さんが胃を抑えぶるぶると震えていた。
家入｢(伊地知、近々胃に穴が空くな)｣
虎杖｢どうやって持ってきたの？｣
五条｢悠仁が死んでた間、ずっと寝てるんだ。もしかして宿儺の所にいたのかい？｣
あ、説明する気ない。
ガン無視をくらった事に顔を顰めるも、生得領域内での出来事を説明すると、何か考え込み始めた教師。
その間こちらは必死に葵夜を起こす方法を考えていた。
そういえば俺、葵夜の所に行けって言われただけでその後のことなんも聞いてない。
会ったはいいけど一向に治る気しないし、
どうやって戻すつもり？
この呪術素人に何ができると？
胸以外に目立った傷こそないものの、彼女自身の血液が白い制服を赤く染めている。
いや、当初は赤かったのかもしれない。しかし酸化のせいで制服はもう赤の入り交じる茶色だ。
というか服ぐらい着替えさせてやれよ、ずっと血まみれの制服じゃ葵夜も気が滅入るだろ。
まぁ、そんな事より。
虎杖｢(腕…ちゃんとある)｣
そこに深く安堵した。
領域内で彼女の兄に切り落とされたのが脳裏に焼き付いていて、目の前の彼女の姿が幻のように感じる。
確かめるように俺の手は葵夜の肩へと吸い寄せられて行った。
ドクンッ
虎杖｢なんだっ、…これ！｣
全身の血管が太鼓を鳴らしたように大きく脈打つ。
直ぐに葵夜の胸へと目を向ける。
目を閉じて、
開けた時には
葵夜の心臓所か、胸周辺全ての損傷が何事も無かったかのように元通りになった。
葵夜｢………んぅ｣
虎杖｢っ！！！よかっ｢おっと｣…た？｣
まずいなこの格好は。
そう呟いた家入がサッと穴の空いた制服部分に手を被せる。
元はと言えば虎杖の身体を乗っ取った宿儺の手1つ分の穴が空いていた制服。
血塗れで色気こそ無いものの、華奢な葵夜に空けられた穴はそう小さいものでは無い。
完治した今となっては見えるもんが全部見える大変刺激的な服になってしまっている。
ここにはパートナーもいない野獣が3頭。
この格好は少々危ない。
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作者名：佐藤ななな | 作成日時：2021年9月14日 13時
