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悲しかった。
見知らぬ集団に兄様が死んでしまった事を聞いた時。
悔しかった。
私に傷一つ付けられない奴らに兄様が負けたなんて事実が。
死にたかった。
兄様のいない世界なんて、窮屈で苦しいだけの鳥籠のようだから。
葵夜「─────え…?」
「お前の兄貴は生きた災害。呪いの王。数え切れない程の人間を殺した人間だよ。」
葵夜「…そん、な、だって兄様はお家の慈善活動の意志を継いで……」
「それ、ここにいる人間に話してみろよ。腹抱えて笑われるぞ。」
知りたくなかった。
兄の仇に捕まってから千年間、一度も手放さなかった翡翠の宝石を落とした。
私が悪者なんだと、
兄の妹である私が悪なんだと、
その時初めて自覚した。
葵夜「………………えて、」
「あ?」
葵夜「あなた達の事…教えて……」
呪術というものを知った。
天与呪縛というものを知った。
長年に渡る呪霊と呪術師の対立。
私は呪霊側にいる事も知った。
最大の異点と言えば私には“雌黄翡翠”を利用した結界があるという事だ。
結界に天与呪縛である“誰にも傷付けられない”という縛りを付与する事でもう一方の“誰も傷付けられない”の縛りを消す。
つまり結界内でのみ、私は普通の人間になるのだ。
結界の利用法は2つ。
結界内の人間を護るか、
殺すため。
護りたい者には結界が青く作用し、殺したい者には金色に輝く。
聞けば兄様は私が成人を迎え不老の呪いをかけられた後、私を外に連れ出し盾として所持していたそうだ。
どれ程攻撃しようと傷一つ付かない。
通り名は“七竃”
私は兄の腕の中で眠りコケていただけなのだが、相手をしてた呪術師はそんな事知ったこっちゃない。
当然私も悪になるだろう。
葵夜「もう兄様には会えないの?私兄様がいないと結界使えないっぽいんだけど」
「知らね。指が誰かに受肉しない限り復活は無いんじゃねぇの」
葵夜「まじ?そんなんじゃ私生涯雑魚じゃん!やめてよ!」
「強くなってどうすんだよ…」
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佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時