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ピタリと拘束が止まる。



あと1秒遅かったらキスの嵐が降る所だった葵夜は、目の前にある顔をグイと遠くへ押し退けた。



伏黒「…五条先生?」







五条「…………………………もっかい言って」


「「うぉっ」」


五条「もっかい。下の名前で、」


葵夜「え、さ、さとる、先生?」


五条「……………………………………まるで戒めだね。」


葵夜「不気味なんですけど〜〜〜〜〜???」









一方その頃、図らずも釘崎と分れてしまった虎杖は、屠坐魔を使い単独で呪いを討伐する。



物音の少ない廃ビルの中で考えるのは、先日共に上京し、自身の唯一の同郷という分類にわけられるだろう葵夜の事。


釘崎の指示通り1階ずつ確認していく中で、虎杖は葵夜の本性について考えていた。



虎杖「(不老不死…って言ってたな。1000年て想像もできないけど、そんな長い時間葵夜どこにいたんだ?)」



ずっと高校生という訳にもいかないだろうし。


仕事をしていたとしても、人の目につかない仕事などない。いつかは歳を取らない彼女を不審に思い、そして話題にするだろう。



だがこの虎杖、今まで生きていて不老不死の人間がいるなんて話は一度も聞いた事がない。





有り得ないのだ。人間が歳を取らない事など。




話題にならないはずがない。




虎杖「(葵夜が寝たがりなのもなんか関係してるんかな。てか葵夜って学校生活以外で何してんだ?)」





考えれば考えるほど疑問が思い浮かんでくる。






今までの事も、今回の事も、不可思議な事が多すぎて頭が追い付いていない。






というか、



虎杖「(……あれ?)」



もしかしなくても、俺葵夜の事全然知らないんじゃ。



足を止める。



祖父も、部活の先輩も、家も、何もかも故郷に置いてきた虎杖にとって、唯一の”普通の虎杖“を知っている葵夜。


その実、彼女を紹介しろと言われても思い付く事が少ない。



好きな食べ物は?


趣味は?


誕生日は?


得意教科は?


苦手なタイプは?


普段何してる?









何も知らない。





同じクラスだからと、これから3年間同じ部活だからと高を括って無知な自分に気付かなかった。



五条「部活中はどんな話をしてたんだい?」



そう聞かれた時答えられなかった自分が恥ずかしい。



虎杖「…」



何かを決意したように歩みを進めた。





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佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時

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