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さきside
体育の先生に具合が悪いから見学しますと言い残して、体育館の外の古い倉庫の階段に腰掛けた。
ジャージどうしようか…
よ「……さきちゃん?どしたん?」
何度も聞いたその声にハッと顔をあげる。
さき「あ、よ、へいくん」
憧れの太陽。
よ「……?なん?それ」
さき「なんでもない…」
太陽はいつだって輝いてて、私を見つけてしまう。
見られたくないものまで。
よ「…みせて」
ぐいっと近づかれる。
さき「い…やだ」
よ「いいから」
さき「………」
これだけは
これだけは
知って欲しくない。
よ「みせて」
ばさっと落ちた原型のわからないそのジャージを見て洋平くんは言葉を取られたみたいに何も話さなくなってしまった。
おしまいだ。
私の一瞬だけ輝いてくれた日々はおしまい。
私はジャージを持って駆け出した。
一番見られたくない私を
一番見て欲しくないあなたに
見られてしまった。
もう、あのキラキラを手にすることはできないの。
…_______どうして
私の目の前にまた現れてくれるの?
洋平くんは、何度も私の家の前に来ては、さきちゃんはどうですか?ってお母さんに聞く。
心配してくれてるの?
私を、見てくれているの?
なんて自惚れは、もう持たない。
私のせいで、罪悪感を抱いているのなら
そんなことないって、言いたい。
私がもう少し幸せに浸りたいなんて、欲張ってしまったから、
あなたを悲しませてしまったのなら、
それは間違いだと。
言えない代わりに、学校に行くと約束した。
それすらも守れない私を
神様は二度と叱ってくれなかった。
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なぁ(プロフ) - ノアさん» ノアさんこんな古い作品を読んでいただいてありがとうございます…自分の中でかなり挑戦した話なので、そう言って頂けて嬉しいです… (2020年3月15日 23時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
ノア - これ……………………繋がってたんですね……ウワァ………………やられました、脱帽です、ありがとうございました。あなたの言葉の選び方、比喩、情景、全て大好きです。 (2020年3月15日 20時) (レス) id: 482604c455 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - あああさん» 最後は本当に納得のいく作品を書きたくて、ゆっくり書いてしまっておりますが、どうか引退まで気長にお待ちください!本当にありがとうございます!! (2019年5月3日 16時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - あああさん» 初めて書かれる感想が私の小説であることを嬉しく思います泣 しかもこんなにたくさん…!!本当に嬉しいです!私の小説は私の経験2%くらい配合されておりまして、人生で印象に残ったシーンが度々出てきたりして、私の思い入れも強い作品が多いです! (2019年5月3日 16時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
あああ(プロフ) - 本当にありがとうございました。少しでもこの感情が伝わっていれば、、幸いです。また、こちらに戻ってくる日があれば楽しみにお待ちしております。では。(長文失礼致しました) (2019年4月29日 12時) (レス) id: 1b690e4942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぁ | 作成日時:2018年12月22日 5時