No.106 最期に ページ18
「余り気を抜いていると、手玉に取られますよ」
「……お前、何か知ってるだろう？」
「さぁ」
勿体ぶるような口振りに違和感を覚えた。フョ一ドルが何かを知っていて、それを見て面白がっている風にAには見えたからだ。
しかし、あくまで暈したヒントしかくれず、何も詳細な情報を提供してくれる気はないらしい。Aも、端からフョ一ドルから情報をもぎ取れる気は微塵もしていないのだが。
「……では最後にひとつだけ。
意味のわからない質問に思わず「は……？」とAは声を出してしまった。丸でこの男には知らぬ事などないのではないか。余裕ある表情からも、そう思わざるを得ない様な感触を受ける。
「どうやら、貴方は
「何が言いたいんだ……？」
「……では、いつかまた会った時に」
「……待て、っ……」
Aに背を向けて歩いていくフョ一ドルを、追いかけようと歩き出す。
──が、全身を巡る凄まじい痛みによって、それは叶わなかった。
何もかもを透かし見ている様なフョ一ドルの目は、瞬く間に暗闇へと消えていった。疼痛が走り、どんどんと足の力が抜けていく。呼吸も満足にできず、心臓が鼓動する度に身体が痛んだ。
「……っ」
途切れ途切れになる視界。我慢の限界が近づき、後ろへと倒れ込む。しかし、Aの頭が床につく事はなかった。
「……金子？」
──温かい温もりと、ずっと聴きたくても聴けなかった、懐かしい友の声がした。
『──またな、A』
『……あぁ』
最期に交わした言葉。余りにも呆気なかった。もう二度と会えなくなるとあの時は夢にも思わなくて、短く、織田の顔を見ずに答えたのを覚えている。
自分の意思で喋り、自分の意思で動いていた彼の顔を、もっと脳裏に焼き付けておけばよかった。
悲しい筈なのに、信じられないくらい頭は冷静に、織田が息を吹き返さないと悟った。涙は乾いて流れなかった。
自分ながら薄情だと思った。織田に申し訳ないと思った。何も。何もできなかった。
「……ご、めん…………織田……」
“生きたい”と思う我儘な自分を、“過去”に置いて行かれたままの自分を、どうか許してほしい。
心地よい声と共に、目の前は暗闇へと誘われた。
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( ･´ｰ･｀)どやｗ(プロフ) - 続編制作…！！！ありがとうございます！！桜さんがどのような方なのかめっちゃ気になって…！！(笑)ほんとうに更新が嬉しいのでまた続編まで行ってくれることに感謝しかなくて…！！！続編制作おめでとうございます！！ずっと応援してます！！！ (5月27日 11時) (
レス) @page50 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
えぼし(プロフ) - ト、トガちゃん！弔くん！荼毘くんだーー！！敵連合だー！？ それに最後の女性は一体…？口調でもう分かる。めっさ綺麗。絶対、私この人に惚れる← 続きは気になりすぎる…。更新ゆっくり待ってます！ (5月20日 15時) (レス) id: 1767c8c0bb (このIDを非表示/違反報告)
みすゞ(プロフ) - コメント失礼します!いつも見ていますがやっぱりいつも夢中になって見れるので大好きな作品です。更新頑張ってください。 (4月26日 21時) (レス) @page46 id: d0ec094424 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル - 更新待ってます！！ (2023年4月15日 22時) (レス) @page45 id: e229d579e8 (このIDを非表示/違反報告)
( ･´ｰ･｀)どやｗ＠ぐんぐんグルト(プロフ) - 久しぶりのコメント失礼致します！相澤さんの口から織田作の名前が…！！やっと…！！念願の織田呼び…！！(笑)凄く物語に引き込まれる感があって読むごとにやっぱり好きだなぁと言う感情が芽生えます(笑)他人がとやかく言うものではないですが更新頑張って下さい！！ (2023年4月6日 17時) (レス) @page44 id: 4e2cb1d965 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞樹 | 作成日時：2022年11月14日 16時
