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「なーなみ!」
「先輩」
「…五条さん」
カラ、と扉を開けて入ってきた五条先輩。
はい、お見舞い!と渡されたフルーツバスケットに、心なしか建人さんも笑っているような気がした。
(……高そう、)
「元気そう…ではないか」
「いえ、もうかなり回復しました」
「あ、そう?じゃあ愚痴ってもいい?もー大変だったんだよー、Aったら勝手に電話切るし、心配して会いに行ったら殺してー!とか言ってくるんだもん」
「ちょ、先輩!」
ケラケラと笑いながら話す五条先輩に、みるみる頬が熱くなっていく。
キッと彼を睨むと、そこにあったのはあまりにも柔らかい表情で。
思わず息が詰まった。
「でも…うん。お前が生きていてくれて良かったよ」
ぽんぽん、と建人さんの頭を撫でるも、彼はやめてください、とその手を払いのけた。
だけど、ひどーい!と嘘泣きをする先輩を見つめる彼の表情もまた柔らかい。
「…Aも。よく頑張ったね」
ぽんぽん、とさっき建人さんにやったのと同じように私の頭を撫でる五条先輩。
ぐっと胸が熱くなった気がした。
「…五条さん、」
「んー?」
「…その辺で」
いつかの日と同じように、優しく腕を引かれて。
ぽすん、と彼の胸に閉じ込められた。
「…くくっ、七海、嫉妬?」
「……、」
「お前かわいいとこあるなぁー」
「やめてください」
うりゃうりゃ、と肘で小突かれている建人さんの心臓は予想よりも速く脈打っていて。
私も思わず笑みが溢れた。
「…貴方もですか、」
「……ふふ、ごめんなさい」
バツが悪そうにこちらを見る建人さんがあまりにもかわいくて。
ぎゅ、と抱きつくと、彼も腕を強めてくれた。
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conny(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。 (2021年3月26日 2時) (レス) id: 712cd20bd6 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 如月さん» わああそんな風に言っていただけて本当に嬉しい限りです!ありがとうございます…!如月さんに読んで頂けて良かったです。素敵なコメントありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 美姫さん» 感動していただけて、また最高の形だと言っていただけるなんて、本当に描いて良かったです…!こちらこそ美姫さんにとても嬉しいお言葉を頂けて感謝の気持ちでいっぱいです!ありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - チエミさん» 素敵な作品だなんて…!私の小説で嬉し泣きして頂けるなんて、こんなに嬉しいことはありません…!チエミさん、本当にありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - もちもちさん» ナナミン推しの方にそう言っていただけると、本当に描いて良かったと思えます。もちもちさん、こちらこそ本当にありがとうございました…! (2021年2月12日 13時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向 | 作成日時:2021年1月23日 22時