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「よし、後は煮込むだけだねー」
「うわっ、めっさ美味そう！」って私の傍にぎゅっと近寄って、鍋を覗き込んでくる。
その横顔が、綺麗で。少しだけ、見とれていたら。
「何…？あんま見ると、抱きしめたくなるんやけど。笑」
「…ッ」
「… 何で黙るん？いつもなら、迷わず俺のこと叩くやん。笑」
「ッわかんない…、」
「悲しい顔せんでや、ホンマに抱き締めたくなる。」
そうサムが呟くと、もっとお互いの距離が近づいて。
拒まない私に体は、どうかしてしまったのだろうか。
いや、きっと。どうかしてしまったんだ。
サルが私の目の前に現れたせいだ。
「… 好きなんやもん。」
「ッ…廉、」
サムの顎が私の頭の上に乗っかって、腕が私の肩に回される。
キツい香水が直に香って、私の頭をくらくらとさせいく。
サラに抱きしめられた時感じた、あの何とも言えない安心感を。
サムに感じないのは、どうしてだろう。
抱き締められても、気持ちが苦しくなってしまうのは。
きっと、サルと優太のせい。
彼の背中に腕を回せないのは…
「…じゃあ俺、ガスコンロ出すわ。」
「あ、うん。ありがとう。」
.
「「いただきまーす！」」
「「美味―――ッ！！」」
2人で作った大雑把鍋は予想を遥かに超える美味しさで。笑
「やっぱ煮込みトマトって美味しいよね！」
「しかも和風な具材にも合うんやな、意外に！笑」
話も盛り上がって、身も心も温まるお鍋だった。
.
片付けも済まして、気が付けば9時。
…優太もさすがに帰ってきてるよね。
ッいや！！気にしない！！
「時計気にして、何かあんの？」
「ん？いや？ただ単に9時だなあって。笑」
ソファに座っていた私の隣にサムが腰を下ろした。
… 今日はもうお互いに喋り尽くした感があって。
暫く沈黙が続く。
「… もうA帰っちゃうんかなーって思うと、次は俺が悲しくなってきたわあ。笑」
「あははっ 私も今同じ気持ちだ。笑」
「え？ホンマ？？」
目を大きく広げて、私に近づいて来る。
少し前なら、顔を押し返せたのに。
何だか今は、この距離感にわくわくしてしまう。
「… Aが彼女なら完全キスしとったわ、今。」
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*咲七波*(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます！前から見てくださっているなんて嬉しいですー！しかも勿体ないお言葉頂けて恐れ多いです…！涙 ぜひぜひ読み返してください！他の作品にもコメント待ってます！笑 (2018年12月8日 17時) (
レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
みるく - はじめまして！前から見させてもらってます！なのにコメしなくて申し訳ないです… もう号泣しまくりですよ！もう作者様大好きになりました！！この文章力、小説書いて売った方がいいです！読み返しますし、他の作品も見たいと思います！長い駄文失礼しました！！ (2018年12月8日 11時) (レス) id: 58c3937f81 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - *咲七波*さん» なんか、見てたら知らん間に泣いてた〜。恋愛小説もたまにはいいねー (2018年11月20日 17時) (レス) id: c1ea85b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - らいみぃさん» コメントありがとうございます！泣いてくださったんですか！？嬉しいです… 平野くんを必死に堕とそうとする話を絶賛更新中なのでぜひそちらも！笑 (2018年11月5日 14時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
らいみぃ - このお話が大好きです！もう、泣きました。ほんと作者様ありがとうございます、お疲れ様でした。これからも別のシリーズ頑張ってください！ (2018年11月4日 22時) (レス) id: 657c2ba17c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*咲七波*
| 作成日時：2018年10月14日 23時
