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塗れた髪の毛をタオルドライしながら、今の状況を整理する。
平野くんが私の部屋にいる。しかも私のベッドだ。
これは、どういう意味なのか。
…そういう、意味なのか。
いやでも、勘違いも甚だしい。
のぼせてもないのに、のぼせてしまいそうなくらい。
顔が赤いし、身体が熱い。


「おかえり、」

「え、ああ、うん…?」

まるでそこにいるのが当然のように私のことを見るから。
なんだかこれが日常のように感じてしまう。

「髪の毛乾かしてあげる!」

「え、大丈夫だよ。自分でやるし、」

「だーめ、彼女は彼氏に髪の毛を乾かしてもらうもんなの!」

「…そうなのか。」

「あははっ、ほら!こっちきて?」

「うん…、」

初めて知った。
彼女って、彼氏に髪の毛乾かしてもらうものなのか。

いや、でもまって。

「…平野くんて、私の彼氏なの?」

「彼氏だよ、素敵な恋してる間柄でしょ?」

「…そっか。」

「だめ?」

平野くんの顔が、私の右肩に置かれる。
近くて、その表情がなんだか色っぽくて。
だめだなんて言えるわけがない。

「ううん、むしろ、その…」

「Aちゃんは俺の彼女、だよね?」

上目使いで、こんなにも近い距離で。
耳元でそんなことを言われたら、身体が自然と頷いてしまう。

「いい子、」

そう呟くと、ドライヤーにスイッチを入れて私の髪の毛を優しく乾かしていく。
年下なのに、私のことをいい子だなんて。
…でも、嫌な気がしないななんて思いながら。
誰かに髪の毛を触られているこの感じが余りにも懐かしくて。
ふと鏡に映った私と平野くん。
カップルなら普通だろうこの光景が私には余りにも特別だから。
私は近くにあったスケッチブックとペンを引き寄せて、描き始める。


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*咲七波*(プロフ) - Anzu1134さん» コメントありがとうございます!ゆっくりではありますが引き続き読んでくださると嬉しいです!笑 (2019年10月19日 6時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
Anzu1134(プロフ) - 更新とても楽しみにしています!  頑張ってください! なるべく早めに更新してくれるとありがたいです。 (2019年9月30日 1時) (レス) id: 68bfd8b6e0 (このIDを非表示/違反報告)
*咲七波*(プロフ) - あちゅぴさん» コメントありがとうございます!これからも読んでくださると嬉しいです〜! (2019年9月14日 11時) (レス) id: 3d58baab0f (このIDを非表示/違反報告)
あちゅぴ(プロフ) - このお話とても面白いです!!続きも楽しみにしていますね! (2019年9月13日 18時) (レス) id: 9024cefd53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*咲七波* | 作成日時:2019年8月23日 10時

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