初恋の行方 ーyb×inー

『山田 涼介』攻略大作戦 1 ページ17

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　撮影は順調に進み、予定通り夕方には終わった。

　マスクとメガネのおかげか三人も注目を集めることなかったし、ま、上々と言えるだろ。




「え、ここ…ですか…？」

「高そう…」




　予約しておいた焼き肉店に連れてくと、三人は目玉飛び出そうな顔をしてる。

　まーな。
　ここけっこう高いぜ？




「今日は皆が俺の応援してくれたお礼だからな。奮発した。」

「応援？見学じゃ…」

「言ったろ？観客が居ると張り合い出るって。おかげで監督に誉めてもらえたよ。だから、な。」

「んー、そーゆーことならっ。」




　相変わらず攻略しやすい知念ちゃんがニコッとして、山田はそれを見ててあきらめたようにため息をこぼし、伊野尾ちゃんは困ったように笑う。

　三人の関係がよくわかる構図だ。




「飲み物は酒以外ならなんでも頼んで。料理はどうする？コースもあるけど好みのをチョイスしてもいいぞ。」

「んーと、んーと…」

「悩むならコース二人前頼んで、あとは単品選ぶとかするか？」

「それいい！ね、ね、いのちゃんどれがいいー？」

「え？私はあの……えっと、山田くんは？」

「あー、俺もどれでも…知念に任せるよ。」

「じゃあねっ、えっとねっ、この“幻の島根牛厳選若牛選り取りコース”ってのふたつとー。」

「知念！いくらなんでも少しは遠慮しろよ！それ一番高いコースじゃないか！」

「涼介うるさい！ねぇねぇ藪さん、ダメー？」

「はは。その顔で頼まれちゃダメって言いにくいな…仕方ない。いいよ。」

「やった！じゃ、あと追加でA5松阪牛特上カルビを四人前と壺浸け塩タンをみっつとぉ…」

「ゆ、ゆうりちゃんっ！それも高いやつっ！」

「いいよいいよ、伊野尾ちゃん。ほら山田くんも、ほんとに食べたいの無いのか？」

「いやその…そしたらこの特選ハラミ食べてもいいですか？」

「もちろん。そうしたらそれも三人前ぐらい頼もうか。」

「わーい！それも気になってたんだ！涼介グッジョブ！」




　知念ちゃんはすっかり俺に慣れてくれたらしいし、山田はこれ、肉大好きっ子だな。

　万国共通。
　男の子は肉が好き。

　お堅いナイトも陥落させるんだから、焼き肉ってすごいぞ。



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