初恋の行方 ーyb×inー

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「えーと…すまん。三人ともマスクしてくれ。あと、メガネ。」



　監督と別れてから三人のところへ行き、手持ちのマスクと伊達メガネを差し出した。

　このあと他の出演者も来るし、そこでいちいち騒がれるのも面倒だ。



「“YU-RI”と“サッカー界の次期プリンス山田涼介”と“謎の美少女”に監督が大興奮でな…面倒事にならない方が君たちも良いだろ？」

「あれー？僕のこと知ってる人いたんだぁ。ま、当然か。んふふ。」

「次期プリンスってなんですかそれ…」

「謎の美少女？誰のことですか？」




　三者三様の反応だが、伊野尾ちゃんの反応が一番驚いた。

　この子、自分が超絶美少女だって自覚無いのかよ…




「とにかく着けてくれ。撮影自体はトラブんなきゃ夕方には終わるから、そしたらまた旨いもん食いに行こう。」

「わ！また藪さんの奢り！？ラッキー！」

「こら！知念！」

「まぁまぁ…山田くんも目くじら立てるなって。焼き肉とかどうだ？旨い店知ってるから。」

「焼き肉…」

「伊野尾ちゃんも。そこシャーベットがふわふわでそっち方面でも有名なんだよ。好きかな？甘いもの。」

「え？あ、好きです。はい。」

「よかった。それじゃ予約しとくよ。喉乾かない？飲み物いるか？」

「僕っ、オレンジジュース！」

「おっけ。二人は？」

「えっと…コーラで。」

「すみません…紅茶ならなんでも…」




　よしよし。
　三人とも俺に奢られることに抵抗無くなってきてるな。

　この調子でポイント稼いで仲良くなって行けばいずれそれぞれを単独で誘い出すのも可能になるだろ。




「あそこに椅子並んでるだろ？一応俺のためのブースになってるとこだから、座って見ててくれよ。」

「え？専用の場所？」

「これでも主役だからな。何かあったら近くのスタッフに声かけてくれ。君たちのことは話してあるから。」

「わかりました。ありがとうございます。」




　山田の言葉に三人は揃って頭を下げた。

　やっぱあれだな。
　最初に攻略すべきは山田涼介。

　よし、んじゃ次の手打っとくか。







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『山田 涼介』攻略大作戦 1→←彼らの正体 1

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