snow white〜第６章〜(inoo kei)

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畳み込むように質問をされて
王子たちはオロオロと寄り集まりました



“ね、ねぇ…もしかして高木
知念に連絡してないの…？”

“は？なんで俺がするんだよ。
会ったことない俺よりも
裕翔がするのが自然だろ？”

“なんで俺？
光くんが知らせるのが当然じゃん。”



ボソボソ話した三人は
じわじわ青ざめながら振り向きます

だってそれぞれ全員が
なんの連絡もしていないとしたら…





「ねーえ？どうして誰も
お手紙ひとつくれなかったのかなぁ…？」


「そ、それはね…えっと…」


「うんうん。それは？」


「えーっと…だからね…」


「うん。だから？」





うっかりしてただけなんです

そう言いたい王子ですが
言えば間違えなく火に油を注ぐだけ

わかっているから何も言えず
ただモゴモゴすばかりの王子に
知念がスウッと腕を上げました




「ひか！あと雄也と裕翔！
そこに座りなさい！」

「ひいっ！！」



ビシッと人差し指を突き付けられ
三人は揃って首をすくめます




「なにが“ひい！”だ！
僕は座れって言ってんの！」

「はいっ！」

「違うバカ！正座！」

「ははははぃいい！」




ちまっと膝を畳んで座り
肩寄せ集まってる三人を
腕組みした知念が上からねめつけます




「いーいっ！？
僕はひかが“どーしても”って言うから
いのちゃんを預けたんだよっ？」


「は、はい…って預けたの！？
お嫁さんにもらったんじゃ…！」


「お嫁さんにしてもいい、とは言ったけど
あげるなんていっぺんも言ってません！」


「うへぃ…！」




言ったじゃーん…

俺、“この子ちょーだい”って言って
知念は“わかった”って言ったじゃーん


と、王子は思ってますが
ここで逆らう勇気はありません




「それに雄也と裕翔！
ひかがぽややんなんだから
側近のキミたちがしっかりしてよ！」


「っ…そ、それは…」


「うぅ…」




なんで俺たち
(ほぼ)初対面の男の子に怒られてんの？

と、高木くんと裕翔くんは思いますが
やっぱり反論できません



なんせ知念くん
見た目は少年ですが
ほんとのところは齢(よわい)百をとうに越えた
しかもその界隈では名の知れたドワーフです

過去、あらゆる国の猛者たちと
対等に渡り合って来たんです

そんな歴戦の勇者に
ハタチそこそこの若造が勝てっこないんです





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