JUMP短編集〜十人十色の恋レシピ ６〜

バイト禁止な山田くんと　6/19更新 ページ4

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　時は休日の午後。
　場所はカレシのお部屋。

　ゲームに夢中の山田くんの横で、スマホを眺めるあたし。



「っは〜、勝ったぁ！」



　ネトゲ廃人、の一歩手前ぐらいにガチ勢な彼がイヤホンを外してのびをする。



「涼介、休憩？」

「んっ。」



　本当は“デートなのにあたしをほったらかしてゲーム三昧とかなんなのよ”とは思ってるけど、ゲームしてるときの涼介が可愛いから許しちゃうんだよな…なぁんて甘いこと考えながら、彼の好きな紅茶をいれる。

　ミルクたっぷりお砂糖少し。
　猫舌の彼にあわせてちょっぴり温め。



「さっきからなに見てんの？」



　紅茶をヒトクチした涼介があたしのスマホを覗き込んでくる。

　自分はゲームばっかりの癖にあたしがスマホ見てると不機嫌になるんだよね。
　かっわいいワガママくんだなぁ♡



「バイト探してたの。夏休みだけのやつ。」

「ふぅん…で、いいのあった？」

「うん、これとかどーかな。」

「どれどれ？」




　候補にしてたページを見せると、涼介はあっさり“却下”って言った。




「えー？ここ制服可愛いのにぃ…じゃ、これは？」

「……これもダメ。」

「なんでぇ？涼介の好きなアイス屋さんだよ？」

「ダメなもんはダメ。こっちも、これもダメ。」




　選んでたやつを次々ダメって言われて、結局ひとつも残らなかった。

　学校か家に近くて時給も良くて…なんてやつ、あんまないのに。




「なにほっぺふくらましてんだよ。」

「だってぇ…」




　もともとウチはバイト禁止で、だけど夏休みだけなら…ってやっと親から許してもらったのにまさかカレシからダメ出し連チャンとか想像もしてなかった。

　デート代は涼介が全部出してくれてるけど、メイクとか服とかおしゃれしたいからバイト頑張るつもりだったのにこれじゃ…





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