JUMP徒然短編集〜BL version〜

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　報復されるのはごめんだし、そもそも惚れたやつと二人でいるのに怒鳴られ続けるのも嬉しくねぇ。
　そしたらこれしかないだろ…ってんで、腫れ上がった手首に触れないように、慎重に腕を掴んで引き寄せた。



「わ〜るかったよ。本気で反省してる。」



　そのまま胸に押し付けて、そっと傷に口づける。



「なにすっ…」


　怒鳴りかけた唇にもキスをして、優しく…見えるであろう顔で微笑みかけた。



「縛られてるお前、可愛かったんだもんよ。チョーシのって悪かった。」



　さぁ、これで満足だろうと思ったのに、返って来たのは冷たい視線。



「なんだよその作り笑い。そんなんでごまかそうとか、甘いんだよ。」



　あー、しくじった。

　こりゃ裏技使うしかねーか…



「……伊野尾。」

「なに？」



　ピリピリしてる眉間のシワにキスをして、ゆっくりまばたき。

　顔を作るのを止めて、ハァ…っと息を吐いて、見栄も意地も何もかも忘れて白い顔だけを見つめる。



「愛してるぞ。」



　ぽわん…と赤くなるまろい頬。

　滅多に言わない愛の言葉に、恥ずかしそうに目を反らす伊野尾がたまらない。



「こんな時しか言わないんだから…ズルいよ、やぶぅ…」

「しょーがねぇだろ。俺だって照れくさいんだから…よ。」



　ふにゅっと唇を合わせると、その形が三日月になる。

　愛しさが溢れてもっと先を望みたくなるものの…まぁ、今夜はここで止めておこう。



「やぶぅ…俺も好き…」

「こぉら、そこは“愛してる”だろ？」



　身体はしっかり繋がった。
　心もバッチリ繋がってる。

　あとはそれを、言葉で確かめなきゃな。



「愛してるよ…馬鹿やぶぅ…」

「俺もだ…」



　なぁ、ホントだぜ？

　痛がる顔も、狂ったように俺を欲しがる顔も、こうして甘えるお前の顔も…


　全部、愛してるぞ…




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END
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