JUMP徒然短編集〜BL version〜

※ ページ31

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ー side 慧 ー



　で、連れ込まれた部屋で早速押し倒される。

　なんつーか、即物的。



「最近さぁ…んッ……なんか、手抜きっ…て、か…」

「はぁ？」

「むかしはもっと…こぉ、さ…」

「手順踏めって？もぉここ、こんななのに？」


　グリッと膝で押されて腰が跳ねる。

　すっかりソノ気になってるのはバレバレらしい。



「口説きモンクなんざ聞き飽きるほど囁いてやったろーが。てめぇ抱くまで何年かけたかわかってんのか？」

「ぅあ…っ、そ、そぉかもだけど…」

「じゃあややこしいこと言ってねーで素直にアンアン言えっての。ほれ。」

「ッ…あ、ンンンっ…！」



　藪の言葉通り、俺たちが“こんな関係”になるまで年単位の時間がかかってる。

　ハタチになるかならないか…って頃から口説かれてたんだからこいつにしては粘った方だと思うし、ほだされた側としては十分に愛されてると思ってるけど…



「ハっ、ぅんッ…も、そっちぃ…？」



　ロクな愛撫も無く、後ろに手を回されちゃやっぱり切ない。
　てか、キスもしてないぞ？



「ごちゃごちゃうるせぇな…ったく…」



　ベッドとの隙間に腕が滑り込んで、持ち上げられてシャツの上からなめられる。
　プツンと尖ったそこを軽く噛んでから、藪がふと顔をあげた。

「そーだ。」



　いきなり投げ捨てるみたいに放置されて何事かと見つめれば、いつものお人好し丸出しの笑顔とは打って変わった悪魔顔。

　でも股間はマックスってとこが笑いを誘った。



「なに？やめんの？」

「アホか。据え膳食わねーほど枯れてねぇ。」



　脱ぎ捨ててたジャケットのポッケを漁って、取り出したそれは…



「………持って帰って来たの？それ。」

「おう。」



　今日のロケで使った、低周波治療機。



「なんで？肩こり？」

「んにゃ。」



　ベッドに戻って来た藪が、サクサク俺のシャツのボタンを外す。

　再開かな？ってどきワクしたら、ペトッ…って、胸にパットが貼り付けられた。



「あの…俺に着けてどーすんの？」

「こーする。」



　ピピピピ…って電子音が鳴って、同時進行でピリピリ刺激が走る。

　肌の表面を引っ掛かれるような感触に鳥肌が立った。





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※→←全部愛してる〜yb×in〜 (2018.1.27 caravelにて初出)

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