放課後 ページ34
ー放課後ー
「Aッ、名前何にした？」
「んー、変に試行錯誤してもな、って思ったから普通に Aにしたよ、分かりやすいっしょ」
「あ〜変に試行錯誤って爆殺王的な！」
「あっはーーーー！」
態とらしく引き笑いしてみせるとどこかから爆発音が聞こえた。
「テメえ…、さっきからニヤニヤしやがってよ、なにがそんなに面白ェんだ？ア"？」
「ウギャア」
後ろからだった。
バックとられちゃった。
ヒーロー助けて背後に敵がいます。死んじゃう。
「は、話せばわかる…」
「問答無用」
爆破される、と目を瞑るが、あの独特なニトロの匂いが香る事はなく、
そのかわりごちん、という鈍い音が頭で響いた。
「ッ〜〜！」
「ハッ、馬鹿が！」
爆豪くんは痛がる私を鼻で笑ってそのまま教室を出て行ってしまった。
どこのガキ大将だよ。
「…あんたら仲良いよね」
「何処が！」
しみじみ、といった様子でそう言う三穂を軽く睨んで、奴らとは違って優しい轟くんのところへ泣き真似をしながら駆け寄る。
我ながらうざいわ。
「A？」
「爆殺王とかいうツンツン頭と三穂がいじめるんで、轟くんのところに避難してきました」
「そうか」
ほら、
こういうノリの私って相当めんどくさいと思うんだけど、轟くんは優しく微笑んでくれるんだもんね。
なんか、こんな王子様みたいな人が彼氏って恐れ多いな、って今更思い知った今日この頃。
「…轟くんのヒーローネームは王子様でいいと思う」
目の前の綺麗な顔を指差し、真顔でそう呟く。
「？俺はショートだぞ」
「！名前そのまんま使ってるんだ、一緒だね」
「ああ…、てことはAもそうするのか」
「うん」
ここで三穂が気を遣ってなのか、先に帰宅したので私はしばらく轟くんと駄弁ることにした。
「今度さ、遊びに行こーよ！たまには羽も伸ばさないと、疲れるし」
教室にはいつのまにか私たち2人だけで、それが少女漫画に出てくるワンシーンのようで、なんだか緊張した。
「それは、
_______2人で、か？」
「え、」
何となく恥ずかしげな轟くんの表情に、私も自然と顔に熱が集まって、気まずくなって、思わず顔を伏せる。
「俺は、2人が良い」
変にゆっくり、近くでそんな声が聞こえるものだから、益々恥ずかしくなるが、嬉しいものは嬉しくて、
私は思い切って轟くんに抱きついた。
「___私も！！」
にへら、と笑ってみせると、轟くんもまたあの優しい笑顔で私を抱き締め返してくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 314人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玲音 - 可愛いかよっ…ｳﾞｯ(心肺停止) (2018年7月9日 2時) (
レス) id: 89de5cc263 (このIDを非表示/違反報告)
山田中 - 紫苑さん» そうですよね、やっぱりお風呂って言えばluckyスケベですよね。縁はないんですけどね。好きです。 (2018年7月8日 14時) (レス) id: 516ccbe87e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - セコム轟っょぃ。洸太くんこっち落ちてきたってことは…お察しですよね(ﾆﾔﾆﾔ (2018年7月8日 3時) (レス) id: 3603310884 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - 山田中さん» はい。更新楽しみに待ってます。 (2018年5月12日 8時) (レス) id: 20aecf2dbb (このIDを非表示/違反報告)
山田中 - 鈴木美妃さん» ありがとうございます！とても励みになります…嬉しいです。最近忙しくてなかなか更新できなかったのですが頑張りますね！ (2018年5月12日 8時) (レス) id: 24db06f8bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山田中 | 作成日時：2018年5月3日 23時
