【銀魂】真選組の小娘ちゃん ３

第120訓 トランプって打つと大統領って出て来る ページ36

山崎side


山「あ、葵ちゃん、お菓子でも食べる？」

「………。」

鉄「葵さん！自分、言ってくれれば何でもします！」

「………。」

原田「葵ちゃ〜ん、ほ〜らきなこ棒〜。」

「………。」




原田からきなこ棒をバッと取り上げると、そのままムスっとした顔で口に入れる葵ちゃん。




食堂にて。屯所に残った隊士達で目の前のお嬢さんのご機嫌取り。門番の隊士以外の全員で葵ちゃんを囲んでいる。が、葵ちゃんはさっきから一言も喋らない。そうとうお怒りのようだ。

散々駄々をこね、「お土産を買って来る」という条件でかたはついたはずだが、それでも機嫌はなおらず、もうどうしていいのか分からなさすぎて混乱した何人かの隊士は、とうとう赤ちゃん用のおもちゃで葵ちゃんをあやし始めるが、「バカにするな」とでも言いたげに殴られるばかりで。

あれ？機嫌取るどころか、むしろどんどん悪くなってね？






そんな中、やっと葵ちゃんが口を開いた。







「私知ってるんだから。土方さん達がどこに行ってるのか。本当は会議なんてただの嘘っぱちで、吉原のお姉さんとランデブー」

山「それは違うよ葵ちゃん！！！」



それは違う。断じて違う。いや本当なんだけど、でも違う。もう何が本当で何が違うのか分からなくなってきた。


とりあえず葵ちゃんをなんとかその考えから遠ざけるため、目の前にお菓子やら何やらを沢山並べてみるが、それには見向きもせず、葵ちゃんの口は止まらない。






「きっと酔っ払って、香水の匂いプンプン匂わせて、そんでなんかちょっと肌ツヤが良くなって帰って来るんだ。」

山「そんなことないから！！！」

原「葵ちゃん！トランプあるよ！」

「私、夜の匂い分かるもん。」

山「どこで覚えたの！？」

原「トランプが嫌ならUNOでも」

「今頃あいつら野球拳とかやってるんだ。」

山「やめなさい！！！」







葵ちゃんを何とか静めるため叫んだその時、門番のはずの隊士が「あの〜」と申し訳なさそうにやって来た。聞くと、客が来てるとのこと。誰だ？


すると、「何やってんですか勝手にッ！？」というもう一人の門番の隊士の声と、「別にいいじゃねぇか。」という、なにやら聞き覚えのある怠そうな声が聞こえて来た。


え、まさか









銀「よお。」

山「万事屋の旦那！？」

「あ！旦那〜。」






え、何しに来た？

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