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第116訓 人の目に物投げる奴は失明しろ ページ32

「おばちゃ〜ん。きなこ棒ちょーだーい。」

お「あいよ〜。」



今私は駄菓子屋に来ている。常備していたきなこ棒が切れたので、買いに来たところだ。そこには小さな子供がチラホラといて、楽しそうにお菓子を選んでいる。そんな中、場違いないかにも怠いですというような声が聞こえてきた。



銀「おばちゃん、コレ。さっき買ったアイス当たったんだけど。」

お「あんたそれ食べ終わった後で棒に『当たり』って掘ったりしてないだろーね。」

銀「おいおいおばちゃん、冗談も休み休み言おうぜ。」

お「あたしゃあんたにこうゆうこと言う時は世界一真面目さね。」

銀「それどういう意味?」


さっき買ったアイスが当たったということは、今日ここに来るのは二回目ということか。まったく、大の大人が平日の昼間からフラフラと駄菓子屋にやって来るなんて、さすがは旦那だ。

そんな毎日ダラダラしている男、略してマダオに「こんにちは」と挨拶をするいい子な私。



銀「よお。今日は非番か?」

おそらく旦那は私がいつもの制服ではなく、着物を着ていることからそう思ったのだろう。

「はい、昨日姉御の家にお泊まりして、その帰りです。」

銀「とうとうあいつはお前にとっても姉御になったんだな。」



「アイス当たったんですか?」と聞けば「ああ。」と返ってくる。私が旦那の持ってるアイスの棒をなんとなく見つめていると、旦那が言った。

銀「やんねーよ。」

「私旦那みたいにいやしい人間じゃないです。」

銀「ほー、つまり俺はいやしい人間だと?」

「だからそう言ってるじゃないですか。」



謎の上から目線にイラっとくる。


銀「お前もなんか買いに来たのか?」

「ええまあ。」

銀「ふーん。」

「旦那、そこは『俺が買ってやるよ』って言うのが大人の男じゃないですか?」

銀「俺を誰だと思ってんだ。」

「そうでしたね、すみません。」


旦那にそんな言葉を少しでも期待した私がバカだった。だって相手はあの旦那だ。もし旦那が人に何かを奢るようなことがあれば、その時はきっと世界が終わる時だ。

私はおばちゃんから受け取った袋からきなこ棒を取り出し、旦那の目に向けて思いっきり突き出した。


銀「ってちょォォォォオオ!?葵ちゃん!?何してんの!?」

「必殺きな粉目潰しです。」

銀「それは目にきな粉が入って余計痛いという大技じゃねぇか!!!」

「チッ、しくじったか。」

銀「葵ちゃん!?」

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パピポ - 3人の絡みが見れた!!!最高です!!ありがとうございました!!! (2020年10月19日 22時) (レス) id: e8120e490b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - ペンペン草さん» コメントありがとうございます!そんなこと言っていただけて感激です!!すごく励みになります!これからも頑張りますので何卒よろしくお願いいたします!!! (2020年5月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
ペンペン草 - やばいです!!絵、お上手でお話も最高です!!! (2020年5月16日 14時) (レス) id: 97f71150c2 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 紅蝶さん» 本当ですか!?嬉しいお言葉ありがとうございます(≧∀≦)その言葉をバネにこれからも頑張りたいと思います!!! (2017年9月22日 20時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
紅蝶 - 面白過ぎです (2017年9月22日 19時) (レス) id: 306794bfc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナナ | 作成日時:2017年5月7日 14時

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