消えた初恋、叶えたくて (ページ21)

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20. ページ21

咲良side

『……重い。』

これくらいなら大丈夫だろうと思って
両手いっぱいに物を持つんじゃなかった。

相多「あ！咲良さん！
そんな重いもの1人で持って行っちゃだめでしょ！」

重たすぎて運べなくて階段の目の前で止まっていたら
前から相多くんと井田くんが二人でやってきた

『1人で持って行けると思ったんだけど、
想像以上に重たくって……苦笑』

相多「井田俺これも持っていくから
咲良さん手伝ってあげて」

え、

井田「あぁ、わかったそーするわ」

相多「よし、じゃあ先いくね」

やばい。井田くんと2人になってしまった。
どーしよう、胸がドキドキして心臓でてきそうだよ。

井田「これ貸して、持っていくから」

『あ！いやでも、これくらいは持てるから…』

井田「うんわかったキツかったら言って」

2人で歩く廊下、
井田くんは私のスピードに合わせてゆっくりと歩いてくれた

井田「…あれから、なんもなかったか？」

『え？』

井田「あの先輩から、何もされてないか？」

『あ、うん！あの時はホントにありがとう』

井田「あれからほとんど連絡無かったから
嫌われてんのかと思ってた」

『え！いや、そんなこと全然ないよ！
っていうかその、、、変に意識しちゃって連絡できなかったって言うか(小声)』

井田「ん？」

『あ、いやなんでもない
でも本当にあの時は井田くんが来てくれて良かった、
怖かったから』

井田「気をつけろよ
咲良さん人気だし、その狙われやすいから」

『へ？』

井田「…いや、なんでもない」

『そっか、』

どうにかして、もう少し自然に話せるようになる方法はないのかな。。

『あの、さ。
その、咲良さん呼びやめない？』

井田「え」

『いや、その嫌だったら全然いいんだけど、、』

井田「嫌じゃない。俺も呼び方変えたいと思ってたから」

そんな優しい顔で笑いかけてこないで欲しい
ドキドキして、苦しくなるから…

『えっと、なんて呼んだら…』

井田「浩介、俺の名前浩介だから。」

『浩介…くん』

井田「……うん。」

急に彼は下を向いてしまった

『じゃあ私も、Aで、、』

井田「…Aな。」

どうしよう、顔が真っ赤だよ。

なんでだろう、浩介…くんと一緒にいると
どうも調子がおかしくなる。