ある日突然信頼度が見えるようになった (ページ9)

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めげないしょげない諦めない何があっても泣いちゃダメ9 ページ9

「これは少々問題なのでは？」

見つけた狗巻先輩のスマホのホーム画面の背景はどう見ても私だった｡大問題ですなぁ！

はっ！

まさか｡いやまさかね､うん｡そんなはずはないっしょ？

私はもしやと思い画像フォルダをタップした｡

マジすか｡ガチですか｡

ずらりとびっしりと並んだ私の画像｡その所々にある真希さんや釘先ちゃん達との集合写真やら記念写真やらが更に私の気持ちを微妙にさせる｡

しかもどれも目線がこちらを向いていない｡それに私自身も撮っていい？おっけー！なんて会話していないのでこれは間違いなく盗撮でござる｡
ちょっと先輩！犯罪っすよ！

どんなに気分を明るくしようと試みても目の前にある事実は変わらない｡これは確実に先輩のスマホで､その中に私の写真があった｡これはガチガチのマジの事実だ｡

しかし幸いにも未だ狗巻先輩は帰ってきていない｡ここは1つ見なかったことにしよう｡そうしよう｡今までの良好な先輩後輩の中でいよう｡私はそうしたい｡

そんなショッキングロッキンしている私へ向けて我が身の内からこんな声が聞こえたような気がした｡

(心の声)「狗巻先輩は私の写真を欲しがっているのでしょう？ならば差し上げれば良いではありませんか｡たかが1枚少しパシャっとするぐらい容易い事でしょう？」

うっさい馬鹿野郎！んな事したらどうなるかわかったもんじゃねぇんだよ！
やらないからな!?私はやらないからな!?ぜえったいにやらないからな!?

(心の声)「そんな事言わないで｡ほらほら､狗巻先輩がその画像を見た時の反応を思い浮かべて見てください？絶対にバレていないと思っていた画像フォルダの中に心当たりのないあなたの自撮り画像が！焦る狗巻先輩｡どうです？」

やめろやめてくれ｡そんなのする訳無いだろ

そう思ってはいるのにどうして表情が緩んでしまうのだろう｡

気がついた時には行動に移してしまっていた｡

パシャ

やっちゃったよぉ～やっちまったよぉ～！
しかもカメラのアングルまでバチバチにキメて撮っちゃったよぉ～！

消さねば｡はよ消さねば！
でも…狗巻先輩の反応も正直捨てがたい…

もういいや！残しとこ！ここまで来たらもうやけだ！どうにでもなってしまえ！

私は写真を消さない事にした｡

未だ先輩は帰ってこない｡こんな茶番を繰り広げたというのにまだ帰ってこない｡
やっぱり遅い｡

私は狗巻先輩のスマホを鞄に戻し､先輩を探すべくようやく重い腰を上げた。