ある日突然信頼度が見えるようになった (ページ24)

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めげないしょげない諦めない何があっても泣いちゃダメ 24 ページ24

ゆらりと私に近づいて来る狗巻先輩｡しかしその様子はやっぱり嬉しげで…恐ろしかった｡

「狗巻先輩…？なんですかそれ｡怖いですよ？」

私の言葉にはもちろん反応せず先輩は距離を縮めてくる｡

ハイライトの入っていない瞳で見つめられて､私は蛇に睨まれた蛙のように動けなくなってしまった｡
パニックパーティーである｡

遂に先輩は私の目の前に帰ってきてしまったのでござる｡でもそりゃそうさ｡部屋の隅からここまで来るだけでそんな時間かからんでしょうに｡

相も変わらず嬉しそうだけどヤバい目の先輩｡そして

好感度

【2600】

回数

【157】

いつまでも見えるあの数字｡

今更ながらに虎杖君の天使さに懐かしさを感じ､早く東京に帰りたいな～と考えていると

突然狗巻先輩に押し倒された｡

「！？」

馬乗り状態で腰の辺りに重量を感じる｡

嫌である｡否､別に狗巻先輩が嫌いな訳では無い｡ただ私は同人誌によくあるｱｯﾊﾝｳｯﾌﾝになるのを避けたい｡それだけだ｡本当に避けたい｡

とまぁここまで至って冷静でいるようにも見える私だが実はめちゃくちゃパニックである｡体は正直(意味深)とはよく言ったもので､実際体が恐怖と動揺で動かないのだ｡

そして先輩は私が抵抗できないのをいい事にしてか､黒い箱を開け始めた｡

玩具系か？避妊具か？それとも精力剤でも出てくるのか？
もう明らかに正常ではない頭でどれだけ考えても出てくるのはしょうもないことばかり｡

だが出てきたのは予想とは違うものだった｡

金属でできたであろう重厚感のある輪っかで少々大きいそれは､私が考えた可能性のどれでも無さそうだ｡あ～良かった｡

にしてもあの輪っか､どことなくチョーカーに似ている気がする｡輪の大きさ的にも私の首にすっぽり入りそうな…サイ…ズ…？あれ？

ｶｼｬ

目の前の輪っかがいつかドラマで見た警察官の持つ手錠のように開くと

どんどん私に近づいて来て

カシャン

私の首に付けられた｡

そっと指で首元を確認してみると､つやつやとした明らかに硬い素材が首をぐるりと巻いていた｡

狗巻先輩は黒い箱を床に置くとスマホを操作し始めたが私はそんな事お構い無しに輪っかを外そうとめいっぱい力を入れた｡いや､輪っかと言うよりも首輪と言った方が良いのだろうか｡

パシャ

狗巻先輩は私にスマホを向けて写真を撮っているようだ｡遂に写真撮ることすら隠さなくなってきた先輩に微妙な気持ちになったが､とりあえずカメラに向かってピースした｡