ある日突然信頼度が見えるようになった (ページ21)

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めげないしょげない諦めない何があっても泣いちゃダメ21 ページ21

「加茂さん｡あなた嵌めましたね？」

『何の事だ？私は何一つ嘘など言っていない』

「人畜無害な天然愛されキャラの加茂さんはどこへ行ったんですか」

『私は君と会った時からずっとこうだ｡』

ダメだこの人話ができない！
かと言って逃げられるかというと危うい｡
手は握られたままで扉には鍵がかかっている｡私はそこまで足が速くないので走って逃げれたとしてもすぐに捕まってしまう｡どうすればいいんだってばよ｡

「加茂さんは私と会った時から純粋ピュアピュアでした」

『君は私を何だと思っているんだ｡私だって男だぞ｡』

私の！知ってる！加茂さんは！そんな女ったらしみたいな！事は！言いません！絶対に！
嫌だああああ！なんだろう｡近所のお父さん的存在のお兄ちゃんに急に男見せられた感じがする！ちょっと嫌だ！かなり嫌だ！加茂さんはそんな事言わないぃぃい！

『A｡私は君が好きだ｡この気持ちを受け止めて欲しい｡だからそろそろ私の目を見てくれないか』

「いや､むりで」

無理ですごめんなさい｡私はいつまでもお兄ちゃんに夢見ていたいんです｡そう言おうとしたが､がしりと顔を捕まれ､無理やり加茂さんと顔を見つめ合わされた｡

目の前には加茂さんのご尊顔｡そしてどうしても見たくなかったあの数字｡

〈好感度〉
1854
〈回数〉
79

嫌だああぁっ！嘘だあぁああっ！そんな79回も加茂さんがシコってるなんて信じたくねぇよ！嫌だああああぁぁぁ！

首をぶんぶんと振ろうとすると､私の顔を抑えている加茂さんの手に更に力が入って尚更顔が固定されてしまった｡

「いやあああ！」

私は力の限り加茂さんを突き飛ばした｡

おい待て！腕が使える！そりゃそうさ｡今さっきまでこの人私の顔を抑えるために両手使ってたんだから｡さっさと気づけばよかった｡

そして喜ばしい事にガッチリ！マイフェイスホールディング加茂さんハンド！も外れている｡これは確実に

「逃げるチャンス到来っすな」

さらば加茂さん｡また会おう｡

素早く部屋の鍵を解除し部屋の外へ出ようとした｡
なのにまたもや床に腹ばいになった加茂さんに足首を掴まれてしまった｡しつこいなこの人

『待ってくれ！行かないでくれ！私は！』

『黙れ』

地を這うような声が廊下から聞こえた瞬間､突然加茂さんの声が途切れた｡
加茂さんは何が起こったのか分からないという顔をしている｡

『おかか｡高菜』

私は忘れていた｡現状､加茂さんよりも狗巻先輩の方がヤバいという事を｡