ある日突然信頼度が見えるようになった (ページ14)

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めげないしょげない諦めない何があっても泣いちゃダメ14 ページ14

私達は衝撃の事実を告げられる事となった｡

『Aさん…あの､見える数値が増えたというのは本当でしょうか…？』

「いえーす」

軽い気持ちで私が答えると伊地知さんは少し顔を曇らせたあと､何かを決心したかのように口を開いた｡

『昨日の呪詛師が目を覚ましたようでして…Aさんにかけられた呪いの詳細を聞き出す事ができたそうです…』

伊地知さんいつもに増してやけに暗いな｡どうしたよ｡私死ぬのか？呪いの効果で｡

『それで…わかった効果が…』

わかった効果が…？

『わかった効果が…』

はやくはやく

『わかった効果が…』

「だあああああっ！わかった効果がなんですか！さっさと教えてくださいよ！じれったいなぁ！」

焦らすなよほんとにもう！気になるじゃん！
すると伊地知さんは言った｡

『私の事嫌いにならないでくださいね…？』

「そんなバカップルが言いそうなこと言わんでええんでさっさと教えてください！嫌わないんで！絶対に！」

『実はAさんが受けた呪いはーー

見た対象が自分の事を思いながら自慰をした回数が見える効果がある物です｡』

なーんだその程度

「かあああああああっ！？」

『お､おかか…？』

先程から私の隣で話を聞いていた狗巻先輩も分かりやすく動揺している｡

「因みに冗談とかでは…」

『無いです｡私もそれならばどれほど良かったことか…！』

全員で絶句した｡誰も何も言葉を発しない時間がただただ過ぎていく｡

そして遂にこの空気に耐えられなくなった伊地知さんが

『とりあえず､頑張ってください』

と駅から出ていってしまった｡
コケてたけど大丈夫かあの人

「とりあえず京都校行きましょう先輩｡」

『しゃ､け…』

やっぱ元気無くなりますよね｡私だって今は考えないようにしてんす｡今ここで深く考え始めたら大声で発狂しながら倒れますから｡

そう思いながらそっと狗巻先輩の表情を伺うと見たこともないくらい明後日を向いてそれでいて強く深い悲しみが全面に出ていた｡

先輩はその暗い顔のまま駅を出て京都校最寄りのバス停へ行くべくやや古ぼけたバスへ乗り込んだ｡

先輩はバスに乗っても上の空だった｡これはしばらくそっとしておいた方が良いな｡

それにしても…うん｡だよね｡ショッキングロッキンロックッキーだよね｡

先輩…わかりますよ｡凹みますよね｡大丈夫ですよ｡今朝の数値が昨日よりも2増えてたのは見なかったことにするんで｡