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御幸side
御幸「お前がなんで自分のことを疫病神って言ってるのか俺には分からない。なんも悪いことしてないのに、なんでそこまで自分のことを責める?」
確かに俺は奏良のことを何も知らない
でも、だからなんだ
これから知って行けばいい
奏良「私、昔から"生まれてこなければよかった"とか"産むんじゃなかった"って言われてた…
一也も見たでしょ?私の左目…紫色なの。オッドアイって言うのかな…みんな"気持ち悪い"って言うんだ。目の色が違うなんておかしいって…」
気持ち悪い?あの目が?
御幸「オッドアイってだけで自分のことを"疫病神"なんて言わないだろ」
奏良「…"疫病神"はあだ名なんだ。物心ついた時から私はお母さんから嫌われてた。『あんたさえいなければ…』なんて何度も言われてきた。たくさん暴力も受けてきた。
友達も最初いたんだけど、私といると怪我ばかりして…私には何かあるって、私といると…危ないって言って離れていった
その頃からずっと"疫病神"って言われてた
何かある度に私のせいにされた。クラスで何かあると私がいるからだって…
お母さんは浮気して、そのせいでお父さんは家を出ていった。浮気の理由さえも私だった…
お父さんが出ていったのも、お母さんが浮気するのも全部全部、私のせいだって…クラスメイトの親からも、先生からも…
みんな私と関わりたくないから…どんなに頑張って声をかけても陰で『疫病神から声をかけられた』『何かあるかもしれない』って…
そんなことないって信じたい…でも、そうなんじゃないかって思わずにはいられないんだ。誰かを傷つけるのが、怖い…」
御幸「そうか…」
奏良「ごめん、こんな話聞きたくなかった、よね」
そう言って無理に笑顔を作ろうとする奏良
そんなの逆効果にしかならねぇだろ
俺は抱きしめる腕を強めた
御幸「無理して笑おうとするな。ずっと我慢してたんだろ?お前のことだから泣かずにずっと、自分の中に閉じ込めてたんだろ?
もう我慢して苦しい思いを抱え込むな。よく頑張ったな。苦しかったらいくらでも泣けばいい。俺の胸ならいくらでも貸してやるから」
奏良「もう、いいのかな?苦しいって…辛いって言っても…」
御幸「あぁ」
奏良「誰かに何かあっても、私怒られないかなぁ?」
御幸「誰も怒らねぇよ」
『そっか』と奏良が呟いたあと、奏良の目から再び大粒の涙が溢れ出した
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菜々子(プロフ) - 宇治抹茶さん» ありがとうございます。嬉しいです。これからも頑張ります。 (2019年7月8日 16時) (レス) id: ddff79cd95 (このIDを非表示/違反報告)
宇治抹茶 - 面白かったです。続編早く読みたいです頑張ってください (2019年7月8日 7時) (レス) id: 758e7ee19b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々子 | 作成日時:2019年7月7日 20時